引越しの不用品処分|粗大ごみ・家電の出し先と費用を一人暮らしの実例で解説

がらんとした部屋で高額な粗大ごみ処理費用に驚く若い日本人女性

引越しが決まって最初に詰まるのが、手放す家財をどこに出せばいいのかという問題です。ソファは粗大ごみでいいのか、冷蔵庫も同じ日に出せるのか、パソコンはどう扱うのか。品目ごとにルールが違うため、調べ始めると際限がありません。

この記事では、一人暮らしの家財を一度に全部処分した経験をもとに、品目を5つの出口に振り分けるだけで処分が終わる手順と、実際にかかる費用の目安をまとめます。

先に結論を書くと、1K規模の家財をまとめて手放した場合の総額は、手間をかけて安く済ませるルートで1万〜2万5千円、業者に任せる最短ルートで1万5千円〜3万円です。荷物を減らせば引越し料金そのものも下がるので、処分は引越し費用の一部として考えたほうが判断しやすくなります。

目次

引越しの不用品は「5つの出口」に振り分けるだけで終わる

不用品処分が難しく感じるのは、方法が多いからではなく、品目ごとに使える出口が法律で決まっているからです。逆に言えば、出口を5つ覚えて手持ちの家財を振り分けてしまえば、あとは各出口の手続きを進めるだけになります。

5つの出口の全体像:

  • 出口1|売る・譲る
  • 出口2|自治体の粗大ごみ
  • 出口3|家電リサイクル法の4品目
  • 出口4|パソコン・小型家電
  • 出口5|不用品回収業者

このうち出口3と出口4は、自治体の粗大ごみとしては出せない品目です。ここを取り違えると回収日に置いていかれるので、最初に切り分けてください。

出口費用の方向手間の少なさ
売る・譲るプラスまたは0円
自治体の粗大ごみ1点数百円〜3千円台
家電リサイクル4品目1点3千円〜7千円台
パソコン・小型家電多くは0円
不用品回収業者8千円〜数万円

出口1|売る・譲る:値段がつくもの

製造から年数が浅く、状態が良く、需要のあるものが対象です。具体的には製造10年以内の生活家電、購入15年以内の家具、ブランド品、ゲーム機やパソコンなどのデジタル機器が該当します。

引越しで使う手段は、リサイクルショップの出張買取、フリマアプリ、ジモティーの3つが現実的です。出張買取は査定から搬出まで無料で来てもらえるので、費用をかけずに部屋から物を減らせる唯一の出口と考えて構いません。

ただし「売れるかもしれない」と抱え込むと、後述するスケジュールが崩れます。売る・譲るに回すのは、買い手がつかなかった場合に別の出口へ移せる期間が残っているものだけにしてください。

出口2|自治体の粗大ごみ:大きくて値段がつかないもの

粗大ごみは、ゴミ袋に入らないサイズの家財が対象です。基準は自治体によって異なり、一辺が30cmまたは50cmを超えるものを粗大ごみとする例が多くなっています。

申込は電話・インターネット・LINEの3経路が一般的です。たとえば渋谷区は渋谷区の粗大ごみ申込ページから、インターネット・区公式LINE・電話(03-6834-4777)で受け付けています。

📌 粗大ごみを出すまでの流れ:

  1. 電話・ウェブ・LINEで申し込み、品目と点数を伝える
  2. 手数料と収集日を確認する
  3. コンビニなどで有料粗大ごみ処理券を購入する
  4. 収集日の朝、指定された場所に自分で運び出して置く

搬出は自分で行う点に注意してください。玄関先や集積所まで運べない大型家具は、そもそも粗大ごみに出せません。ここが出口5を検討する分岐点になります。

なお、粗大ごみ処理券の購入が不要になるキャッシュレス納付も広がっています。横浜市はクレジットカードとPayPayに対応しており、電子決済を選ぶとシールを買わずに、受付番号と収集日を書いた紙を貼って出す方式になります。川崎市もオンライン決済を導入済みです。

出口3|家電リサイクル法の4品目:粗大ごみに出せない家電

家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)の対象4品目は、粗大ごみとして出せません。対象は次のとおりです。

  • エアコン
  • テレビ(ブラウン管式・液晶式・有機EL式・プラズマ式)
  • 冷蔵庫・冷凍庫
  • 洗濯機・衣類乾燥機

処分ルートは3つあります。買い替えと同時に新しい家電を買う店に引き取ってもらう、過去に購入した店に引き取りを依頼する、自分で指定引取場所へ持ち込むのいずれかです。

費用はリサイクル料金と収集運搬料金の合計になりますが、自分で指定引取場所へ持ち込めば収集運搬料金は不要になります。車がある場合は、この差が数千円になるので検討する価値があります。詳しい手続きは経済産業省の家電4品目の処分ガイドで確認できます。

出口4|パソコン・小型家電:メーカー回収と宅配回収

パソコンは資源有効利用促進法によってメーカーに回収・再資源化の義務があり、多くの自治体が粗大ごみとして収集していません。ただし法律が粗大ごみを直接禁じているわけではなく、扱いは自治体ごとに異なります。同時にパソコンは小型家電リサイクル法の対象品目でもあるため、実際には次のルートが使えます。

ルート費用条件
メーカー回収PCリサイクルマークがあれば無料マークなしは有料。デスクトップ本体・ノート・ディスプレイが対象
認定事業者の宅配回収パソコン本体を含めば1箱無料段ボール1箱に複数台可。壊れていても可
自治体の回収ボックス無料投入口のサイズ制限あり。パソコンを対象外とする自治体もある
家電量販店の店頭回収店舗により無料または有料対象品目は店舗ごとに異なる

2003年10月以降に販売されたパソコンにはPCリサイクルマークが付いており、回収・リサイクル料金は購入時に支払い済みのため無料で回収してもらえます。マークがない場合は有料で、メーカーによってはデスクトップ本体・ノート・液晶ディスプレイが各3,630円程度、ブラウン管ディスプレイが4,730円程度です。

宅配回収では、環境省・経済産業省の認定事業者であるリネットジャパンのパソコン無料回収が全国の自治体と連携しています。パソコン本体を含む箱であれば1回につき1箱まで無料で、パソコンを含まない場合は1箱1,848円(税込)です。

⚠️ パソコンを手放す前の注意点として、ハードディスクのデータ消去は原則として自分で行う必要があります。有料のデータ消去サービスと証明書発行に対応している事業者もあるので、心配な場合は申込時に確認してください。なお、タブレット端末は資源有効利用促進法の対象外です。

出口5|不用品回収業者:自力で運べない・時間がないもの

ここまでの4つの出口に振り分けたうえで、自分で搬出できないものと期日までに処理しきれないものが残ったら、不用品回収業者の出番です。

業者に頼む価値があるのは、費用そのものではなく分別・搬出・日程調整をまとめて外注できることにあります。粗大ごみは収集日が固定される一方、業者は希望日時に来てもらえるため、「何もない部屋で1〜2週間過ごす」という事態を避けられます。

一方で、悪質な業者によるトラブルが繰り返し報告されている領域でもあります。選び方は後半で詳しく扱います。

品目別の振り分け早見表

一人暮らしの部屋に置かれていることが多い品目を、出口ごとに整理しました。

品目第一候補の出口補足
冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビ出口3(家電リサイクル)粗大ごみ不可。状態が良ければ出口1も検討
パソコン・タブレット・スマホ出口4(メーカー・宅配回収)動作品は出口1のほうが有利
ベッドフレーム・マットレス出口2または出口5搬出できるかで分岐
ソファ出口2または出口53人掛けは自力搬出が危険
テーブル・本棚・カラーボックス出口2分解できれば可燃ごみに回せる場合あり
電子レンジ・炊飯器・掃除機出口2または出口4自治体により小型家電回収の対象
布団・カーペット出口2多くの自治体で数百円
自転車出口2防犯登録の抹消を忘れずに
衣類・食器・本出口1売れない分は通常のごみとして処理

引越しの不用品処分にかかる費用の相場

出口ごとの料金水準を押さえておくと、「これは売るべきか、捨てるべきか」の判断が早くなります。

自治体の粗大ごみ処理手数料の目安

粗大ごみの手数料は自治体ごとに品目別で定められています。参考として、渋谷区の粗大ごみ処理手数料は次のとおりです。

品目手数料
ソファー(1人掛け)900円
ソファー(2人掛け以上・L型)2,300円
シングルベッド1,300円
ベッドマット1,300円
マットレス(軽量・折畳型)400円
机1,300円
たんす400円〜3,200円
本棚最大3,200円
テーブル・座卓(最大辺100cm未満)400円
電子レンジ・掃除機各400円
布団400円
カーペット(一畳以下/超)400円/900円
自転車(16インチ未満/以上)400円/900円

手数料の下限は400円、上限は3,200円です。1Kの家財で粗大ごみに出す品目が5〜10点なら、総額はおおむね3,000円〜1万円台に収まります。金額は自治体ごとに異なるため、「粗大ごみ+市区町村名」で自分の地域の一覧を確認してください。

家電リサイクル料金と収集運搬料金

家電リサイクル料金はメーカーと品目・サイズで決まっており、家電リサイクル券センターの再商品化等料金一覧で公表されています。主要メーカーの料金水準は次のとおりです(税込)。

品目料金
エアコン550円または990円(メーカーによる)
液晶・プラズマテレビ(15型以下)1,870円
液晶・プラズマテレビ(16型以上)2,970円
ブラウン管テレビ(15型以下)1,320円〜1,870円
ブラウン管テレビ(16型以上)2,420円〜2,970円
冷蔵庫・冷凍庫(170L以下)3,740円
冷蔵庫・冷凍庫(171L以上)4,730円
洗濯機・衣類乾燥機2,530円

これに加えて、小売業者に引き取りを依頼する場合は収集運搬料金がかかります。収集運搬料金は小売業者ごとに設定されており、550円〜3,300円程度が主流です。ヨドバシカメラは買い替えと同時に引き取る場合が550円、別日や処分のみの場合が2,750円。ヤマダデンキとケーズデンキは品目により2,750円〜3,300円です。

💡 費用を抑えるポイントは3つあります。買い替えと同時に引き取ってもらうこと、複数台をまとめて同じ日に依頼すること、車があるなら指定引取場所へ自分で持ち込むことです。持ち込みなら収集運搬料金は0円になります。

不用品回収業者の料金相場とパック料金

不用品回収業者の料金は、車両サイズ別の定額パックと品目別の単品回収の2通りが基本です。くらしのマーケットが公表している相場では、軽トラック1台分が8,000円〜15,000円、2トントラック1台分が25,000円〜39,000円となっています。

東京の事業者の公開料金を例に取ると、パック料金は次のような水準です。

プラン料金(税込)目安
ミニパック(小)5,500円〜単品〜数点
ミニパック(大)11,000円〜ワンルームの一部
レギュラーパック16,500円〜1K全体
ファミリーパック(小)33,000円〜2部屋以上

単品回収は小型家電が550円〜、中型家具が1,100円〜、大型家具・大型家電・ソファが2,200円〜が下限です。ただし公開価格はいずれも「〜円から」の下限表記であり、量・階段作業の有無・分別状況によって加算されます。家電リサイクル4品目を含める場合は、リサイクル料金が別途上乗せされるのが一般的です。

一人暮らしの家財をまとめて処分した場合の総額

1Kの家財一式(冷蔵庫・洗濯機を保有、ベッド・ソファ・テーブル・本棚など)を処分した場合の総額を、2つのルートで比較します。

💰 費用優先ルート:

  • 売れるものはリサイクルショップの出張買取へ(0円、プラスになることも)
  • 家具類は自治体の粗大ごみへ(3,000円〜10,000円)
  • 冷蔵庫・洗濯機は量販店に引取依頼(4,730円+2,530円+収集運搬2,750円×2=約15,760円)、または指定引取場所へ自力持込(7,260円)

総額の目安は1万円〜2万5千円です。ただし粗大ごみの申込・処理券購入・搬出をすべて自分で行うため、実働は数日分に及びます。

⏱ 時間優先ルート:

  • 売れるものだけ出張買取に回す(0円)
  • 残りは不用品回収業者の軽トラック積み放題パックへ(8,000円〜15,000円)
  • 家電リサイクル料金を別途加算

総額の目安は1万5千円〜3万円です。分別も搬出も不要で、作業は半日で終わります。

差額は1万円弱です。この差額を「安く済ませたい」と見るか「休日1〜2日分の対価」と見るかが、実質的な判断の分かれ目になります。荷物を減らすこと自体は引越し料金の圧縮にもつながるので、あわせて引越し代を安くする方法をまとめた記事も参考にしてください。

引越し日から逆算する不用品処分のスケジュール

不用品処分で最も多い失敗は、方法の選択ミスではなく着手が遅れて選択肢が消えることです。処分方法にはそれぞれ所要日数があるので、引越し日から逆算して押さえておきます。

粗大ごみの予約はいつまでに取るか

自治体の粗大ごみは、申込から収集日まで最短でも1〜2週間先になることが多いのが実情です。収集日は週1回程度しか設定されていない自治体もあり、日程の変更や追加も簡単ではありません。

特に3月〜4月の引越しシーズンは申込が集中します。引越し日の1か月前には申し込みを済ませ、収集日を確定させておくのが安全圏です。

一方で、粗大ごみの収集日を早く設定しすぎると、家具のない部屋で残りの期間を過ごすことになります。理想は退去日の数日前ですが、予約が取れるとは限りません。先に予約を取り、取れた日程に合わせて生活の段取りを組むという順番のほうが現実的です。

売る・譲るに必要な期間の見極め

売却・譲渡は買い手が現れるまでの時間が読めません。目安として次の期間を見込んでおきます。

  • リサイクルショップの出張買取:申込から訪問まで1週間程度
  • フリマアプリ:出品から売却まで数日〜数か月
  • ジモティー:掲載から引き取りまで数日〜数週間

買い手の有無に左右されないのは出張買取だけです。フリマアプリとジモティーは、売れなかった場合に粗大ごみへ回す時間が必要になるため、粗大ごみの申込期限から逆算して、締め切りを自分で設定してください。

処分が間に合わないときの選択肢

予約が取れない、想定より物が多かった、引越し日が前倒しになった。こうした場合に取れる選択肢は3つあります。

📦 間に合わないときの逃げ道:

  • 不用品回収業者に依頼する(希望日時に来てもらえる)
  • クリーンセンター等へ自分で直接持ち込む(重量制で最安だが車が必要)
  • トランクルームに一時保管し、新居に移ってから処分する

3つ目は費用が上乗せになりますが、判断を急がずに済むという点では有効です。短期契約に対応したサービスもあるので、短期利用できるトランクルームの比較ガイドで条件を確認しておくと、いざというときに動けます。

なお、退去日を延ばして処分の時間を稼ぐ方法は、家賃と原状回復のコストが増えるため割に合わないことがほとんどです。判断材料として賃貸の退去費用の相場も押さえておいてください。

不用品を売る・譲るはどこまで現実的か

「捨てる前に売れないか」は誰もが考えます。ただし引越しという期限つきの状況では、手段によって現実性が大きく違います。

引越しの一括処分にフリマアプリが向かない理由

実際に家財を全部処分してみて確信したのは、引越しで家財をまとめて手放す局面に、フリマアプリは向いていないということです。理由は3つあります。

第一に、いつ売れるか読めません。期限がある状況で「売れるかもしれない物」を抱えると、粗大ごみの申込判断が遅れます。

第二に、大型品は送料負けします。メルカリの大型配送サービス「梱包・発送たのメル便」は、梱包から搬出までスタッフが行う便利なサービスですが、料金は全国一律でサイズにより1,700円〜33,000円です。

サイズ料金商品例
1202,400円炊飯器、電子レンジ
1603,400円テレビ、空気清浄機
2508,600円洗濯機、学習机
30012,000円2人掛けソファ、食器棚
35018,500円冷蔵庫、シングルベッド

中古のシングルベッドが1万8千円以上で売れることは、まずありません。送料が売値を超える品目は、最初から出品対象から外すのが正解です。

第三に、出品・質問対応・発送手配の作業量が、引越し準備と完全に競合します。

フリマアプリが力を発揮するのは、日常的に不要になったものを随時出品しているときです。引越しの2〜3か月前から少しずつ出しておけるなら有効ですが、直前の一括処分の手段としては期待しないほうが健全です。

リサイクルショップの出張買取が使える条件

引越しの処分で最も費用対効果が高いのが、リサイクルショップの出張買取です。査定料・出張料・搬出手数料が無料の業者を選べば、値段がつかなくてもマイナスにはなりません。

主要チェーンの出張買取の条件は次のとおりです。

チェーン主な条件
セカンドストリート出張料・査定料・搬出手数料が無料。大型家電は製造10年以内、大型家具は購入15年以内、三辺合計350cm以内。18歳以上・本人確認書類必須・予約制
トレジャーファクトリー出張費・査定料・搬出代金・キャンセル料が無料。家具は購入15年以内、家電は製造10年以内(ドラム式洗濯機は7年以内)。原則3点以上、ただし冷蔵庫・ドラム式洗濯機・エアコン・ブランド家具は1点から

⚠️ 注意したいのは年式の条件です。製造10年・購入15年という線引きを超えているものは、そもそも査定対象になりません。自分の家財がこの条件を満たすかを先に確認してから申し込むと、時間を無駄にせずに済みます。

なお、コメ兵やなんぼやのようなブランド品専門の買取業者は家具・家電を扱いません。ブックオフの出張買取も家電製品は対象外です。品目に応じて依頼先を分けてください。

ジモティーで無料譲渡するときの注意点

ジモティーは地域内で不用品を譲り合える無料の掲示板で、費用0円で処分できる可能性がある唯一の手段です。特に、配送が難しい大型家具を手放すときに機能します。

📝 引き取り手が見つかりやすくする書き方:

  • 傷や汚れも含めて状態を正確に書き、写真を複数枚載せる
  • サイズと重量を明記する(相手が運搬手段を判断できる)
  • 受け渡し可能な時間帯を具体的に書く
  • 急ぐ場合は「引取り優先」と明記する

一方で、引き取り手が現れる保証はなく、約束した相手が来ないこともあります。掲載しても数日反応がなければ別の出口に切り替えると決めておいてください。

⚠️ 受け渡しの安全面にも配慮が必要です。小型のものは駅前など人目のある場所で受け渡す、自宅で受け渡す場合は家族や友人に同席してもらうといった対策を取ってください。

不用品回収業者の選び方と依頼の手順

不用品回収は、便利さと引き換えにトラブルの多い分野でもあります。確認する順番を決めておけば、大きな失敗は避けられます。

一般廃棄物収集運搬業の許可を確認する

最も重要な確認事項がこれです。家庭から出る不用品を有償で回収・運搬するには、市区町村が交付する一般廃棄物処理業の許可、または市区町村の委託が必要です。国民生活センターの不用品回収サービスに関する注意喚起でも、この点が明確に示されています。

許可の違いは次のとおりです。

許可の種類できること
一般廃棄物収集運搬業許可(市区町村が交付)家庭から出る廃棄物を有償で回収・運搬できる。これが必須
古物商許可(都道府県公安委員会)中古品を有価で買い取れる。廃棄物の回収はできない
産業廃棄物収集運搬業許可(都道府県・政令市)事業活動で生じた産業廃棄物の運搬。家庭ごみには使えない

⚠️ 紛らわしいのは、古物商許可だけを掲げている業者です。買取はできても、廃棄物の回収はできません。マッチング型のプラットフォームでも、出店条件が古物商許可の提出にとどまっている場合があります。廃棄を依頼するなら、一般廃棄物収集運搬業の許可があるかを自分で確認してください。

見積もりで確認すべき項目と追加請求の防ぎ方

不用品回収でよく起きるトラブルは、極端に安い料金を提示しておいて、作業開始後に「想定より量が多い」と大幅な追加請求をするというものです。防ぐには、見積もり段階で確認項目を潰しておくしかありません。

✅ 見積もりで必ず確認する項目:

  • 提示額に含まれる作業範囲(搬出・階段作業・車両費・処分費)
  • 追加料金が発生する条件と、その場合の単価
  • 家電リサイクル4品目が別料金かどうか
  • 買取対象になる品目と、その分の減額
  • キャンセル料の有無と発生タイミング

見積もりは2〜3社から取れば十分です。数を増やすと比較の手間のほうが大きくなります。写真や動画を送ってオンラインで事前見積もりができる業者も増えているので、訪問を待たずに比較できます。

💡 交渉が効きやすいのは、買取と処分を組み合わせるときです。「この冷蔵庫を買い取ってもらえるなら、ソファの回収料金を下げてもらえないか」といった相談は、実際に通ることがあります。

引越し業者に頼めること・頼めないこと

「引越し業者がまとめて持っていってくれる」と期待されがちですが、実際に引き取ってもらえる範囲はかなり限定的です。

大手引越し業者の対応は次のとおりです。

業者対応範囲
サカイ引越センター家電リサイクル法対象4品目を有料で引取。タンス・ソファ等の粗大ごみは原則として市区町村の収集を案内、一部地域では委任状の提出で有料引取が可能
アート引越センター家電リサイクル法対象品のみ引取可。それ以外の家電は引取不可

つまり、家具の処分は引越し業者ではほぼ完結しません。「不用品パック」のような一括処分プランを想定していると、当日になって当てが外れます。

また、ヤマト運輸の「らくらく家財宅急便」は大型品の配送サービスであり、不用品の買取や引き取りは行っていません。

家電4品目だけなら引越しと同時に処理できるので、見積もり時に有無を伝えておくと段取りが減ります。引越し自体の費用を抑える方法は単身・一人暮らしの引越し見積もり比較ガイドにまとめています。

家財を全て処分して分かった実践的なコツ

ここからは、実際に家財を一度に全部処分してみて分かったことです。手順の説明では出てこない部分ですが、判断の速さに直結します。

「最後に残す荷物」を先に決めると線引きが決まる

処分作業が止まる最大の原因は、捨てるものと残すものの線引きが決まらないことでした。「これは持っていけるかもしれない」と考え始めると、一点ずつ判断が必要になり、いつまでも終わりません。

これを解決したのが、順序を逆にする方法です。先にスーツケースやキャリーバッグを用意し、「最後に残る荷物はこれだけ」と決めてしまう。そのうえで、そこに収まらないものを機械的に処分対象にします。

残す荷物の判断基準:

  • 日常生活に絶対必要なもの
  • 自分で持ち運べるサイズのもの
  • 買い直しがきかない、または代替が難しいもの

この順序にすると、一点ずつ悩む工程がまるごと消えます。最後の荷物量が先に確定するので、引越し当日の段取りも組みやすくなります。

処分しにくかったもの:ベッドとマットレス

実際に処分してみて最も手こずったのがベッドです。理由は3つありました。

第一に、買取価格がほぼつきません。高級ブランドのフレームでない限り、リサイクルショップの査定対象になりにくいのが実情です。

第二に、マットレスはフレームより処分が難しいという点です。フレームはネジで分解すれば小さくできますが、マットレスは分解できず、スプリング入りのものは自治体によって扱いが分かれます。

第三に、搬出が一人ではほぼ不可能です。マットレスは軽くても大きく、階段や曲がり角で引っかかります。

対処としては、フレームは自分で分解して粗大ごみ、マットレスは不用品回収業者に単品で依頼するという分け方が現実的でした。フレームの分解にはドライバーとレンチがあれば足りますが、解体作業には想像以上に時間がかかるので、前日にまとめてやろうとしないでください。

⚠️ 大型のガラステーブルや大理石の家具、3人掛けソファは、自力での搬出を試みないほうが安全です。建物の壁や床を傷つけると原状回復費用のほうが高くつきます。

次に家具・家電を買うときの基準

一度全部処分すると、買うときの基準が変わります。処分にかかった費用と手間を知ったうえで買い物をすると、価格だけを見ていた頃とは選ぶものが違ってきます。

手放しやすい家具・家電の特徴:

  • 分解・組み立てができる構造になっている
  • 定番モデルで中古市場に需要がある
  • 単一素材でできている(複合素材は分別が難しい)
  • サイズが標準的で、搬出経路を選ばない

安い家具を買って処分費用を払うより、多少高くても買取価値が残るものを選んだほうが、保有期間全体で見ると安く済むことがあります。たとえば10万円のソファを5年使って5万円で売れるなら実質コストは月833円、3万円のソファを3年使って処分に5,000円かかるなら月972円です。

新生活の家具をこれから揃える場合は、一人暮らしの家具セット完全ガイドで選択肢を比較したうえで、手放すときのことも含めて判断してください。所有せずに家具・家電のレンタルやサブスクリプションを使えば、退去時は返却するだけで済むという選択肢もあります。

引越しの不用品処分まとめ

引越しの不用品処分は、手持ちの家財を5つの出口に振り分けることから始めれば、迷う場面がほとんどなくなります。売る・譲る、自治体の粗大ごみ、家電リサイクル4品目、パソコン・小型家電、不用品回収業者。この5つのうち、家電4品目とパソコンは粗大ごみに出せないので、最初に切り分けてください。

費用は、1K規模の家財一式で1万円〜3万円が目安です。安く済ませるルートと手間を省くルートの差額は1万円弱なので、残っている時間と体力に合わせて選べば十分です。

スケジュールで最も重要なのは粗大ごみの予約です。申込から収集日まで1〜2週間はかかり、引越しシーズンはさらに延びます。引越し日の1か月前には申し込みを済ませ、そこから逆算して「売る・譲る」の締め切りを自分で決めてください。

そして、迷ったら先に「最後に残す荷物」を決めてしまうこと。残す量が確定すれば、処分対象は自動的に決まります。金額と手間のバランスは人によって違って当然なので、自分の優先順位に合わせて調整し、無理のない形で新生活を始めてください。


引越しの不用品処分でよくある質問

冷蔵庫や洗濯機を粗大ごみに出すことはできますか?

できません。エアコン・テレビ・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)の4品目は家電リサイクル法の対象で、購入店・買い替え先の店舗への引取依頼か、指定引取場所への自己搬入で処分します。

粗大ごみの予約はどのくらい前に取ればいいですか?

申込から収集日まで最短でも1〜2週間かかるため、引越し日の1か月前を目安に申し込んでください。3月〜4月は申込が集中し、さらに先の日程になります。

不用品回収業者に頼むといくらかかりますか?

軽トラック1台分で8,000円〜15,000円、2トントラック1台分で25,000円〜39,000円が相場です。1Kの家財一式なら軽トラックの積み放題パックが標準的な着地点で、家電リサイクル4品目は別料金になるのが一般的です。

パソコンは無料で処分できますか?

2003年10月以降に販売されたPCリサイクルマーク付きの製品は、メーカーが無料で回収します。マークがない場合も、認定事業者の宅配回収ならパソコン本体を含む箱は1回1箱まで無料です。

引越し業者に不用品も一緒に持っていってもらえますか?

家電リサイクル法対象の4品目は有料で引き取ってもらえますが、家具や対象外の家電は基本的に引き取ってもらえません。大手でも「不用品を一括で処分するプラン」は用意されていないため、別ルートを確保してください。

処分が引越し日に間に合わないときはどうすればいいですか?

不用品回収業者に希望日時で来てもらう、クリーンセンターへ自分で持ち込む、トランクルームに一時保管して新居移転後に処分する、の3つが現実的です。費用は上乗せになりますが、判断を急がずに済みます。

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参考サイト・出典:

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