

引越し業者に見積もりを依頼したものの、「断るのが申し訳ない」「しつこく営業されたらどうしよう」と連絡する手が止まっていませんか。
結論から言うと、見積もり後に断ること自体はまったく問題ありません。見積もりは複数の業者を比較するための手続きであり、見積もり段階で解約手数料が発生することもありません。伝え方も「先日はお見積もりをいただきありがとうございました。検討の結果、別の業者にお願いすることになりました」の一言で足ります。
この記事では、電話・メール・LINEでそのまま使える断りの例文、見積もりのキャンセルに料金がかかるのかどうか、訪問見積もりで即決を迫られたときの対処、断ったあとも営業が止まらない場合の対応までまとめます。
1度の電話で、複数の見積が揃う
引越し見積もり後は断っても問題ない|連絡はいつまでにすべきか
見積もりは「契約」ではなく、業者が提示する条件を確認するための手続きです。複数社から見積もりを取って比較するのはごく一般的で、断りの連絡は業者側も日常的に受けています。
ただし、断ると決めたなら早めに伝えたほうが双方にとって得です。業者はトラックと作業員の手配を進めているため、辞退が早いほど別の依頼を入れられます。

断りの連絡で押さえるのは「早めに・価格に触れない・感謝を伝える」の3つ
断りの連絡で意識することは3つだけです。
📌 断りの連絡の基本:
- 決めたらすぐ連絡する:迷っている間も業者は手配を進めています
- 価格には触れない:「他社が安かった」と言うと値引き交渉に発展しやすくなります
- 感謝をひとこと添える:訪問や見積もり作成にかかった手間への礼だけで十分です
理由を詳しく説明する必要はありません。断る理由を述べる義務はなく、説明が長いほど交渉の余地を与えます。
断る連絡の期限の目安|通常期と繁忙期で変わる
断りの連絡に法的な期限はありませんが、実務上の目安は次のとおりです。
🕐 連絡タイミングの目安:
- 通常期:見積もりを受けてから1週間以内
- 繁忙期(3〜4月):3日以内が望ましい
- 業者を決めた直後:即日連絡が基本
繁忙期は業者が先にトラックと人員を押さえてしまうため、特に早い連絡が重要です。国土交通省は毎年、3月の引越件数が通常月の約2倍になるとして時期の分散を呼びかけており、この時期は業者側の余裕がありません。
見積もり段階では見積料も内金も請求されない

「断ったら見積もり代を請求されるのでは」という心配は不要です。国土交通省が定める標準引越運送約款は、**見積料を請求しないこと(第3条第4項)**と、**見積りの際に内金・手付金等を請求しないこと(第3条第5項)**を定めています。
例外は、発送地または到達地で下見を行った場合の費用だけです。この場合も、業者は見積もりを行う前に金額を通知して了解を得る必要があります。事前の説明なく見積もり時に金銭を求められたら、約款違反の可能性があるため応じる必要はありません。
なお、比較の前提として何社から見積もりを取るべきかは「単身・一人暮らし引越し見積もり完全比較」で解説しています。
【例文】電話で引越し見積もりを断る言い方
電話は最もスタンダードな断り方です。特に訪問見積もりを受けた業者には、電話で直接伝えるのがスムーズです。要点を押さえれば1〜2分で終わります。

電話で断るときの基本と、担当者・代表番号どちらにかけるか
電話で押さえるのは話す順番です。
📞 電話で伝える順番:
- 最初の30秒で結論を言う:「お断りのご連絡です」とはっきり切り出す
- 感謝 → 断り → 簡潔な理由の順で話す
- 価格には一切触れない:金額を出した瞬間に交渉が始まります
かける先は営業担当者の直通が基本です。訪問してもらった相手には、礼儀として直接伝えるのが丁寧です。
一方、しつこい営業が予想される場合や担当者と話したくない場合は、**会社の代表番号(コールセンター)**に連絡する方法もあります。代表番号の受付担当はマニュアルに沿って処理するため、その場で交渉に発展しにくいという利点があります。
他社に決めたときの断り例文
最も使う頻度が高い、基本の型です。
「先日はお見積もりをいただきありがとうございました。検討した結果、別の業者にお願いすることになりました。丁寧にご対応いただいたのに申し訳ありません。ありがとうございました。」
どこに決めたかを聞かれても、社名を答える必要はありません。「社名は控えさせてください」で問題ありません。
会社の指定業者・福利厚生を理由にする例文
勤務先が絡む理由は、本人の意思では覆せないため交渉に発展しにくい型です。
「先日のお見積もりありがとうございました。その後、会社の指定業者を使うことになりましたので、今回は見送らせていただきます。」
引越しが延期・中止になったときの例文
引越しそのものがなくなれば、業者にとって提案の余地がなくなります。
「先日はお見積もりありがとうございました。事情が変わりまして、引越し自体が延期になりました。またの機会がありましたらよろしくお願いいたします。」
しつこい営業が予想される業者への例文
食い下がられそうな相手には、交渉の余地がないことを先に示します。
「先日のお見積もりありがとうございました。すでに他社と契約を済ませましたので、今回はお断りいたします。ご了承ください。」
「契約済み」と伝えれば、値引きで覆す余地がないと相手も判断します。まだ正式な契約前であっても、断るための表現として使って差し支えありません。
【テンプレート】メール・LINEで引越し見積もりを断る書き方
メールはやり取りの記録が残る点が大きな利点です。一括見積もりサイト経由で見積もりを取った場合や、電話する時間が取れないときに向いています。

件名・宛先・文量の基本マナー
メールで気をつける点は3つです。
✉️ 断りメールの基本:
- 件名で断りだとわかるようにする:「お見積もりのお礼とお断り」など
- 理由を詳しく書きすぎない:「別の業者に決めた」で十分です
- 宛先は見積もり担当者のアドレス:会社の代表メールでは対応が遅れることがあります
金額や条件に触れると、返信で値引き提案が来てやり取りが長引きます。
見積もり直後に断るメールのテンプレート
件名:お見積もりのお礼とお断り
○○引越センター ○○様
お世話になっております。先日お見積もりをいただきました△△です。
丁寧にご対応いただきありがとうございました。検討の結果、別の業者にお願いすることになりましたので、ご連絡いたします。
せっかくお見積もりいただいたのに申し訳ございません。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。
△△(名前) 電話番号:○○○-○○○○-○○○○
検討後に断るメールのテンプレート
見積もりから日が空いている場合は、いつの見積もりかを添えると相手が特定しやすくなります。
件名:お見積もりの件(辞退のご連絡)
○○引越センター ○○様
お世話になっております。○月○日にお見積もりをいただきました△△です。
慎重に検討しましたが、諸般の事情により今回は見送らせていただくことになりました。ご丁寧な対応に感謝しております。
今後ともよろしくお願いいたします。
△△(名前)
引越し延期でキャンセルするメールのテンプレート
件名:【ご連絡】お見積もりキャンセルのお願い
○○引越センター ○○様
お世話になっております。△△です。
急なご連絡で恐縮ですが、事情により引越し自体が延期となりました。お手数をおかけしますが、お見積もりをキャンセルさせていただければ幸いです。
なお、念のためお電話でもご連絡いたしますが、取り急ぎメールにてお知らせいたします。
△△(名前) 電話番号:○○○-○○○○-○○○○
すでに契約を結んでいる場合や引越し日が迫っている場合は、メールだけでなく電話も併用してください。メールは業者が確認するまでにタイムラグがあります。
まだ決めていないときの返信例|保留・検討中の伝え方
断るわけではないが返事だけしておきたい、という場面もあります。このとき**「検討します」とだけ返すのは避けてください**。業者には「まだ可能性がある」というサインとして伝わり、追客の電話が増えます。
保留を伝えるときは、いつまでに結論を出すかを明示します。
件名:お見積もりの件(ご連絡)
○○引越センター ○○様
お世話になっております。お見積もりをいただきました△△です。
現在、他社の見積もりも含めて比較検討しております。○月○日までにご返答いたしますので、それまでお待ちいただけますと幸いです。
お手数をおかけしますがよろしくお願いいたします。
△△(名前)
期限を切っておくと、その日までは営業連絡が来にくくなります。結論が出たら、断る場合も改めて連絡を入れてください。
LINEで断るときの例文と、既読スルーされたときの対処
見積もりのやり取りをLINEで行う業者も増えています。LINEが中心だった場合は、LINEで断って構いません。ただしスタンプだけで済ませず、ビジネスライクな文章を1メッセージにまとめて送ります。
お世話になっております。先日はお見積もりいただきありがとうございました。検討した結果、別の業者にお願いすることになりましたので、ご連絡いたします。丁寧にご対応いただきありがとうございました。
引越し自体がなくなった場合は次の形です。
お世話になっております。先日はありがとうございました。事情により引越し自体が延期になりましたので、お見積もりをキャンセルさせてください。お手数をおかけして申し訳ございません。
送ったあと返信がなくても、既読がついていれば1営業日ほど待ちましょう。1営業日を過ぎても返信がなく、その後も営業連絡が続く場合は、「先日お断りのご連絡をお送りしましたが、ご確認いただけましたでしょうか」と再送するか、電話に切り替えて伝えてください。なお、契約後のキャンセルは記録と即時性が必要なため、LINEではなく電話で連絡します。
引越し見積もり後に連絡しないとどうなる?
断りの連絡を入れないまま放置した場合にどうなるのかを整理します。

断らなくても法的なペナルティはない
見積もり段階では契約が成立していないため、連絡しなかったことに対する法的なペナルティはありません。解約手数料も発生せず、業者が費用を請求する根拠もありません。返事をしなかったことで信用情報に影響が出るようなこともありません。
実際には確認の電話・メールが続く
ペナルティがないこととは別に、現実には業者からの確認連絡が続きます。業者側は「検討中なのか、他社に決まったのか」が判断できないため、引越し予定日が近づくほど連絡の頻度が上がります。
一括見積もりサイトを使った場合はさらに面倒です。複数社から同時に電話とメールが来るため、放置すると着信が積み上がります。
一言返したほうが早く終わる理由
業者が営業をやめるのは「他社に決まった」と確認できたときです。逆に言えば、連絡がない限り見込み客として追い続けます。
「他社に決めました」と一言伝えるだけで、その業者からの連絡は止まります。無視し続けるより、1分の電話か3行のメールで終わらせるほうが結果的に早く済みます。
引越し見積もりのキャンセルは無料|キャンセル料が発生するのはいつから
「見積もりをキャンセルしたら料金がかかるのでは」という不安は、見積もり段階では不要です。料金の話が関係してくるのは、業者と正式に契約を結んだあとです。

見積もり段階でキャンセル料が発生しない根拠
標準引越運送約款が解約手数料を請求できると定めているのは、契約後、受取日の前々日・前日・当日に解約または延期を申し出た場合に限られます(第21条第1項)。見積もりを受けただけの段階では契約が成立しておらず、そもそも解約手数料の対象になりません。
前述のとおり見積料・内金・手付金の請求も約款で禁止されているため、見積もりを断ることでお金がかかることはないと考えて問題ありません。
契約後のキャンセル料の上限|前々日20%・前日30%・当日50%
契約後のキャンセルについては、標準引越運送約款第21条が解約手数料の上限を定めています。
| キャンセルを申し出た時期 | 解約手数料の上限 |
|---|---|
| 引越し日(受取日)の3日前まで | 解約手数料なし |
| 引越し日の前々日(2日前) | 見積運賃等の20%以内 |
| 引越し日の前日 | 見積運賃等の30%以内 |
| 引越し日の当日 | 見積運賃等の50%以内 |
ここでいう「見積運賃等」の料金部分は、積込み・取卸し・搬出・搬入・荷造り・開梱に要するものに限られます。エアコン工事やピアノ運搬といった附帯サービスの費用まで含めた総額が母数になるわけではありません。
もうひとつ知っておくと得なのが、業者側の確認義務です。業者は見積書に記載した荷物の受取日の3日前までに、記載内容の変更の有無などを利用者に確認しなければなりません(第3条第7項)。この確認を怠った場合、業者は解約手数料も延期手数料も請求できません(第21条第1項ただし書)。前日や当日のキャンセルでも同じです。
契約後のキャンセルや日程変更の手続きは「引越しキャンセル料と日程変更の完全解説」で詳しく扱っています。
3日前までの解約でも請求されることがある費用
注意したいのは、「3日前までなら完全に無料」と言い切れない点です。解約手数料はかからなくても、業者がすでに実施・着手した附帯サービスの費用は別途請求されます(第21条第3項)。対象は見積書に明記されているものに限られます。
東京都消費生活総合センターも、3日前までの解約申し出でも、すでに実施したサービスや引き渡した段ボール代は請求されることがあると注意を促しています。契約前に、どのサービスがいつから「着手済み」になるのかを確認しておくと安全です。
なお、業者が第3条第7項の確認を行わなかった場合は、この附帯サービス費用も請求できません(第21条第4項)。
段ボールを受け取ってしまった場合の扱い

段ボールなどの梱包資材については、標準引越運送約款に返却・買取のルールを定めた条文はありません。扱いは各社の運用と見積書の記載で決まります。
大手の例では、アート引越センターは未使用の資材は返却を受け付け郵送料は利用者負担、使用済みの資材は買い取りとしています。サカイ引越センターも未使用分の返送送料は利用者負担、使用済み分には購入義務が発生するとしています。
⚠️ 資材を受け取るときの注意:
- 契約前に受け取った資材でも、返送料や資材代を請求された相談が実際にあります
- 国民生活センターには「見積もりだけの業者が置いていった段ボールを、自費で返送するよう言われた」という相談が寄せられています
- 返却方法と費用負担は業者ごとに異なるため、受け取る前に確認が必要です
国土交通省の引越における消費者向けQ&Aは、段ボールの受領は業者を決めて成約したあとにするよう案内しています。成約前の受領は業者決定時のトラブルのもとになるためです。「返せばタダ」と考えず、決めるまで受け取らないのが最も確実です。
訪問見積もりで即決を迫られたときの断り方
訪問見積もりでは、営業担当者から「今日決めていただければ○万円お値引きします」と即決を求められることが少なくありません。引越し業界では一般的な営業手法ですが、その場で決める義務はまったくありません。

その場で決めずに帰ってもらう言い方
即決を断るときは、自分以外に判断の要素があることを示すと相手も引き下がりやすくなります。
🗣️ 即決を断るときの言い方:
- 「家族に相談してから決めます」:最も無難で、営業担当者も引き下がりやすい
- 「他社の見積もりがまだ残っているので」:比較検討中であることを理由にする
- 「会社に確認してから返答します」:法人契約や福利厚生を理由にする
値引き条件を「今日限り」と言われても、後日あらためて交渉すれば同じ条件やそれ以上の条件が出ることもあります。複数社を比較したうえで判断するのが、引越し費用を抑える基本です。費用を下げる具体策は「引越し代を最大50%安くする方法」でまとめています。
最初に「今日は決めません」と伝えておく
最も効果があるのは、見積もりを始める前に「今日は決められません」と宣言しておくことです。
営業担当者は「即決を取れない訪問」と理解したうえで見積もりを進めるため、終了時の押し込みが大幅に減ります。断る場面を作らずに済むという意味で、対処法というより予防策です。
段ボールなどの梱包資材はその場で受け取らない
訪問時に「先にお渡ししておきますね」と梱包資材を置いていかれることがあります。資材を受け取ると心理的に断りにくくなるうえ、前述のとおり返送料や資材代を請求される可能性もあります。
決断前であれば、「まだ決めていないので、資材は契約後にお願いします」とはっきり断るのが賢明です。
相見積もり後の断り方|値引き交渉に発展させない理由の選び方
相見積もりで業者を決めたら、選ばなかった業者への連絡が必要になります。ここでの断り方次第で、あっさり終わるか粘られるかが決まります。

連絡のタイミングは決定後すぐ・1社ずつ
断りの連絡は、業者を決めたらすぐ全社へ入れるのが基本です。決定後に時間が経つほど、断られる側の業者は人員とトラックを仮押さえし続けることになります。
また、連絡は1社ずつ個別に行ってください。同じ文面の一斉メールは失礼にあたるだけでなく、宛先の設定を誤ると他社のメールアドレスが見えてしまうリスクもあります。
交渉に発展しにくい断り理由の型
相見積もりで断るとき、最も避けたいのは「他社のほうが安かった」という理由です。金額を理由にすると「うちも合わせます」「いくらなら決めてもらえますか」と交渉が始まりやすくなります。
交渉に発展しにくい理由には共通点があります。
🔹 値引きで覆らない断り理由:
- 「会社の指定業者を使うことになった」:本人の意思では変えられない
- 「知人の紹介で頼むことにした」:人間関係が理由なので値引きでは覆らない
- 「家族の意向で決まった」:意思決定者が本人ではないと示せる
- 「引越し自体が延期になった」:引越し需要そのものがなくなる
いずれも**「値引きされても覆らない外的な事情」**である点が共通しています。業者から見て交渉の余地がないため、話がそこで終わります。
「検討します」は使わない
断ると決めたなら、「検討します」は使わないでください。業者にとっては「まだ可能性がある」というサインであり、追客が続きます。
伝えるときは「決定しましたのでお断りします」と、すでに終わった話として伝えます。あわせて、何を聞かれても同じ理由を繰り返すことも重要です。理由を変えて説明すると「別の角度なら説得できる」と判断されます。新しい情報を出す必要はありません。
話が長引いたときは「これから外出しますので」「仕事に戻りますので」と電話を終える理由を伝えれば、自然に切れます。
他社の金額は伝えなくていい
「他社の金額を伝えたら、業者間で情報が回るのでは」と心配する人もいますが、引越し業者間で個別の見積もり価格が共有される仕組みは確認できていません。顧客の見積もり内容を競合他社と共有することは、個人情報保護の観点からも通常は行われません。
ただし、繁忙期に自社で受けきれない案件を協力会社へ回すこと自体は一般的です。標準引越運送約款も、引き受けた運送を他の事業者を利用して行う場合があること(第5条)と、その場合も運送上の責任は契約した業者が負うこと(第28条)を定めています。これは業務の再委託であり、見積もり価格をやり取りするものではありません。
いずれにしても、断るときに具体的な金額を伝える必要はありません。「別の業者に決めました」の一言で十分です。
しつこい営業電話が止まらないときの対処法
断りを伝えたにもかかわらず、繰り返し電話がかかってくるケースがあります。特に一括見積もりサイトを利用した場合、複数社から同時に営業を受けることがあります。

「お断りします」「ご遠慮ください」と言い切る
しつこい営業に対しては、曖昧な返答をせず、明確に断ることが最も重要です。
「すでに他社と契約を済ませました。今後の営業のお電話はご遠慮ください。」
「何度かお断りしておりますが、お願いする予定はございません。上の方に代わっていただけますか。」
ポイントは**「ご遠慮ください」まで言い切る**ことです。これは法律上「契約を締結しない旨の意思表示」にあたり、以降の勧誘を止める根拠になります。「検討します」「今は忙しいので」では、断ったとみなされません。
再勧誘の禁止は自分から呼んだ訪問見積もりにも適用される
特定商取引法は、契約を締結しない旨の意思を表示した人に対して、勧誘を継続したり再び勧誘したりすることを禁止しています(訪問販売は第3条の2第2項、電話勧誘販売は第17条)。
「自分から見積もりを頼んだのだから対象外では」と思うかもしれませんが、そうではありません。自分で来訪を求めた訪問販売については同法第26条第6項第1号で一部の規定が適用除外になりますが、除外されるのは第4条から第10条までで、再勧誘の禁止を定めた第3条の2第2項は含まれていません。つまり、自分で依頼した訪問見積もりであっても、はっきり断ったあとの勧誘は禁止の対象です。
一方、この適用除外にはクーリングオフを定めた第9条が含まれます。自分から依頼した訪問見積もりで契約した場合にクーリングオフが使えないのは、この規定によるものです。
着信拒否の設定と消費者ホットライン(188)
それでも営業が止まらない場合の選択肢は2つです。
📱 営業電話が止まらないときの対応:
- 着信拒否の設定:スマートフォンの設定で特定の番号をブロックできます。ただし別の番号からかかってくる可能性があります
- 消費者ホットライン(188)へ相談:最寄りの消費生活センター等につながり、相談員の助言や業者との交渉のあっせんを受けられます
- 国民生活センターの平日バックアップ相談(03-3446-0999):自治体の窓口が開いていない時間帯の受け皿です
消費者ホットラインに寄せられた相談内容は、全国の消費生活相談情報として蓄積され、行政機関による法執行の資料として活用されます。相談窓口自体が業者を直接指導するわけではありませんが、記録が残る意味は小さくありません。
実際、国民生活センターに寄せられる引越しサービスの相談は年間2,700件規模まで増えており、相談内容の内訳では「見積」が全体の約25%を占めています。断りにまつわるトラブルは珍しいことではありません。
そもそも営業電話が来ない見積もりの取り方
断る手間そのものを減らす方法もあります。営業電話が集中するのは、一括見積もりサイトに入力した電話番号が提携業者にそのまま渡る仕組みが原因です。この構造を避けるサービスを選べば、断る相手は最初から1社で済みます。
仕組みは大きく3タイプに分かれます。
🔸 営業電話を避ける見積もりサービスのタイプ:
- コンシェルジュが間に入る方式:担当者が複数社から見積もりを集めて提示し、電話番号は成約した1社にだけ渡ります
- 紹介社数を絞る方式:条件に合う数社だけを自動で選び、その数社にのみ連絡先が渡ります
- 電話番号の入力を任意にする方式:メール中心でやり取りでき、電話番号を出さずに進められます
コンシェルジュ方式の代表が引越しラクっとNAVIです。専任の担当者がヒアリングを1回行い、提携する全国約50社から通常3〜5社の見積もりを集めて比較提示します。利用は無料で、電話番号が渡るのは成約した業者だけです。実際に使った感想と注意点は「引越しラクっとnaviの口コミと評判」にまとめています。
紹介社数を絞る方式や電話番号の入力が任意のサービスも複数あります。自分で複数社に連絡を取って比較したい人は後者、やり取りの窓口を1本にまとめたい人は前者が向いています。
まとめ
引越し見積もり後の断りは、早めに連絡する・価格に言及しない・感謝を伝えるの3つを押さえれば、トラブルなく終わります。
見積もり段階では解約手数料は発生せず、見積料や内金の請求も標準引越運送約款で禁止されています。「申し訳ない」と感じる必要はありません。伝える手段は電話・メール・LINEのどれでも構いませんが、訪問見積もりを受けた業者には電話が丁寧です。
解約手数料が関係してくるのは契約後で、引越し日の3日前までなら手数料はかかりません。ただし着手済みの附帯サービス費用や引き渡し済みの段ボール代は別途請求されることがあるため、段ボールは成約するまで受け取らないのが安全です。
訪問見積もりで即決を迫られても、その場で決める義務はありません。断ったあとも営業が続く場合は「ご遠慮ください」と言い切れば、特定商取引法の再勧誘の禁止が根拠になります。それでも止まらないときは消費者ホットライン(188)に相談できます。
費用を抑える方法は「引越し代を最大50%安くする方法」、業者を使わない選択肢は「自分で引越しをするコツ」もあわせて参考にしてください。
1度の電話で、複数の見積が揃う
よくある質問(FAQ)
- 見積もり後すぐに断っても大丈夫ですか?
-
問題ありません。むしろ早いほうが業者も次の依頼を入れられるため助かります。通常期は1週間以内、繁忙期は3日以内が目安です。
- 断る理由は説明しなければいけませんか?
-
詳細な説明は不要です。「別の業者に決めた」「会社指定の業者を使うことになった」など簡潔な理由で十分で、価格に言及すると値引き交渉に発展しやすくなります。
- 担当者ではなく会社の代表番号に電話しても問題ありませんか?
-
問題ありません。代表番号のオペレーターはマニュアルに沿って処理するため、交渉に発展しにくい利点があります。ただし訪問見積もりを受けた場合は、礼儀として担当者に直接連絡するのが望ましいでしょう。
- 見積もりだけでキャンセル料が発生することはありますか?
-
標準引越運送約款により、契約前の見積もり段階では解約手数料は発生しません。内金や手付金の請求も第3条第5項で禁止されているため、金銭を求められた場合は約款違反の可能性があります。
- 引越しの契約にクーリングオフは使えますか?
-
基本的に使えません。引越しは特定商取引法の特定継続的役務提供に含まれず、自分から依頼した訪問見積もりでの契約は同法第26条第6項第1号でクーリングオフの適用が除外されるためです。契約後のキャンセルは標準引越運送約款の解約手数料のルールで処理されます。
- 梱包資材をもらった後に断る場合はどうなりますか?
-
未使用・未開封なら返却できる業者が多いものの、返送料は自己負担が一般的で、使用済みは買い取りになります。契約前に受け取った資材でも費用を請求された相談事例があるため、成約するまで受け取らないのが確実です。
- 断ったのに営業電話が続く場合はどうすればいいですか?
-
「お断りします」「今後の営業のお電話はご遠慮ください」と明確に伝えてください。これは特定商取引法上の意思表示にあたり、以降の再勧誘は禁止されます。それでも続く場合は着信拒否の設定や消費者ホットライン(188)への相談を検討してください。
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参考サイト・出典:

