毎月の駐車場代、自動車税、車検、保険料——維持費だけで年間30〜50万円が消えていくのに、車を使うのは週末だけ。平日はただ駐車場に置いてあるだけの愛車を見て、「この維持費、なんとかならないか」と感じたことはありませんか。
「車を貸して収入を得る」という選択肢は以前からありましたが、2024年12月に最大手Anycaが終了し、一時的に個人間カーシェア市場は空白地帯になりました。「もう車を貸せるサービスはないのでは」と思っている方も多いはずです。
しかし実際には、Anyca終了後にDriveShare・CAR-RING・クルマルの3サービスが新たに立ち上がっています。本記事では各サービスの手数料・保険・登録台数を公式情報に基づいて比較し、登録手順から受け渡しの流れ、税金の処理まで初めて車を貸す人が迷わず動けるレベルで解説しました。
読み終えれば、自分の車種・エリアでカーシェアを始める価値があるかどうかを判断でき、具体的な第一歩(どのサービスに登録するか)まで決められます。結論を先にお伝えすると、手数料率と車両保険の補償上限がサービス選びの最重要ポイントです。この2つの違いだけで、年間の手取り額に数万円の差が出ます。
個人間カーシェアの仕組みと「車を貸す」で収入が得られる理由

個人間カーシェアとは
個人間カーシェアとは、「共同使用契約」に基づいて自分の車を他の人と共同で使用する仕組みです。プラットフォーム(マッチングサービス)を介して、車を貸したいオーナーと車を借りたいドライバーが結びつきます。
ポイントは、法律上の位置づけがレンタカー業と異なる点です。レンタカー業は道路運送法に基づく「自家用自動車の有償貸渡」にあたり、国土交通大臣の許可が必要です。一方、個人間カーシェアは**1台の車を複数人で共同使用する「共同使用契約」**に基づくため、この許可が不要とされています。

🔑 オーナーが受け取るお金の性質:
- 共同使用料(維持費の実費範囲内)として受け取る
- 自動車税、車検代、駐車場代、保険料、ガソリン代、減価償却費などの維持費が「実費」の範囲
- プラットフォーム側が共同使用料の上限設定(価格キャップ)を導入しているケースが多い
プラットフォームはマッチング・決済・保険の仲介を担い、オーナーとドライバーの双方が安心して利用できる環境を整えています。
個人間カーシェアと法人カーシェアの違い
検索で「カーシェア オーナー 収入」と調べると、タイムズカーやオリックスカーシェアなどの大手サービスが表示されることがあります。しかし、これらは事業者が車両を用意し、会員に貸し出すB2C(法人→個人)サービスです。個人のマイカーを預けて収入を得る仕組みではありません。
自分の車を貸して収入を得るには、個人間(P2P)カーシェアのプラットフォームに登録する必要があります。
| 法人カーシェア | 個人間カーシェア | |
|---|---|---|
| 車の所有者 | カーシェア事業者 | 個人のオーナー |
| オーナーの収入 | なし(利用者として使うサービス) | 共同使用料を受け取れる |
| 料金設定 | 事業者が設定 | オーナーが設定 |
| 代表的なサービス | タイムズカー、オリックスカーシェア | DriveShare、CAR-RING、クルマル |
カーシェアで車を貸すといくら稼げる?収入目安と収益性

車種別の収入目安と共同使用料の相場
個人間カーシェアでオーナーが受け取れる金額は、車種・地域・利用日数によって大きく変わります。以下はDriveShareの公表実績とAnyca時代のデータをもとにした参考値です。
| 車種タイプ | 1日あたりの相場 | 月間収入の目安(月3〜4回貸出) |
|---|---|---|
| コンパクトカー・セダン | 3,000〜6,000円 | 1〜2万円程度 |
| ミニバン・SUV | 5,000〜12,000円 | 2〜4万円程度 |
| 高級車・スポーツカー | 10,000〜30,000円 | 単価は高いが稼働頻度は低め |
DriveShareの公表データでは、1回のシェアあたり平均約21,400円(2025年10〜12月実績、手数料控除後のオーナー受取額)という数字が出ています。ただし、これは実際にシェアが成立したケースの平均であり、すべてのオーナーがこの水準を達成できるわけではありません。
⚠️ なお、Anyca終了後の新興サービスはいずれも利用者数が成長途上にあるため、Anyca全盛期と同じ稼働率を前提にするのは現実的ではありません。**「維持費の一部を軽減する手段」**として検討するのが現段階では妥当な期待値です。
収益に影響する要因
📊 収入を左右する主な要因:
- 地域:都市部(特に東京・大阪・名古屋)は需要が高い。地方は観光地周辺に限られる傾向
- 稼働率:週末だけなら月4〜8回が上限。平日も含めると収入増の可能性
- 手数料率:サービスにより3〜15%の差がある。手数料が低いほど手取りが増える
- 季節変動:GW・夏休み・年末年始は需要増。1〜2月の閑散期は稼働率が低下しやすい
収支シミュレーション:維持費をカバーできるか

ミニバン(アルファードクラス)を月4回(週末)貸し出した場合のシミュレーションです。1回あたりの共同使用料を8,000円と仮定します。
| 項目 | DriveShare(手数料15%) | クルマル(手数料5%) |
|---|---|---|
| 月間売上(8,000円×4回) | 32,000円 | 32,000円 |
| 手数料控除 | △4,800円 | △1,600円 |
| オーナー手取り | 27,200円 | 30,400円 |
一方、一般的な車の年間維持費(駐車場代を除く)は30〜50万円程度です。月に27,000〜30,000円の手取りがあれば、年間で約32〜36万円となり、維持費の大半をカバーできる計算になります。
ただし、ここには貸出前後の清掃や受け渡しの手間、車両の追加的な摩耗といった「見えないコスト」が含まれていません。純粋な金銭面だけでなく、自分の時間と労力も含めて判断する必要があります。
一人暮らしで車の維持費が家計を圧迫している場合は、一人暮らしの生活費の内訳とシミュレーションも参考に、カーシェア収入がどの程度の改善になるか検討してみてください。
現在利用できる個人間カーシェアサービス比較

Anyca終了後、個人が自分のマイカーを貸し出せるサービスとして、DriveShare・CAR-RING・クルマルの3つが稼働しています。それぞれ手数料体系や保険内容が異なるため、自分の状況に合ったサービスを選ぶことが重要です。
DriveShare(ドライブシェア)

2024年末にAnycaが終了した直後、元Anycaオーナーのコミュニティから生まれたサービスです。株式会社CarOwnersClub(2025年1月設立)が運営し、2025年2月にアプリ版を正式リリースしました。
📌 DriveShareの主な特徴:
- 手数料:オーナー15%、ドライバー手数料なし
- 保険(ドラシェア保険):3,500円/24時間。対人対物無制限、車両補償上限1,000万円(免責10万円)、人身傷害5,000万円、ロードサービス付帯。引受保険会社は三井住友海上
- 対応形態:iOS/Androidアプリ。検索・予約・決済・保険適用までアプリ内で完結
- 登録台数:380台以上(公式サイトによる)
- オーナー平均収入:1回あたり約21,400円(2025年10〜12月実績、手数料控除後)
- オーナーコミュニティ:80名以上のオーナーが参加し、シェアのノウハウやトラブル対処法を共有
3社の中ではもっとも実績が先行しているサービスです。登録台数・利用者数ともに新興3社の中で最大規模であり、車両保険の上限も1,000万円と手厚い点が特徴です。
CAR-RING(カーリング)

株式会社IGNIS GATEが2025年2月にリリースした個人間カーシェアサービスです。
📌 CAR-RINGの主な特徴:
- 手数料:「リーズナブル」と公表(具体的な料率は非公開)
- 保険:実装済み(詳細は公式サイトで確認)
- 対応形態:Webブラウザ
- 特徴的な戦略:首都圏から開始し、今後は地方・離島でのレンタカー不足を補うエリア展開を視野に入れている
- 安全対策:車両の事前審査、ユーザーレビュー機能を実装
地方や観光地での車不足を解決する視点を持ったサービスで、都市部以外に住んでいるオーナーにとっても選択肢になりうるサービスです。ただし、手数料率や保険の補償内容の詳細が公表されていないため、登録前に公式サイトで最新情報を確認してください。
クルマル
Trust Mobility Hub合同会社が運営する個人間カーシェアサービスです。当初2025年2月末のリリースを予定していましたが、開発の遅延を経て2026年1月30日にサービスを開始しました。
📌 クルマルの主な特徴:
- 手数料:オーナー3〜5%、ドライバー5〜10%(業界最安水準を掲げている)
- 保険:3,300円/24時間。対人対物無制限、車両補償300万円まで
- 対応形態:Web版(アプリ版は開発中、時期未定)
- 本人確認:NECの顔認証技術「Digital KYC」を採用
- サポート:24時間365日対応
手数料の低さが最大のセールスポイントです。仮に1回8,000円の共同使用料で貸し出した場合、手数料5%ならオーナーの手取りは7,600円。15%のサービスと比べて800円の差が出ます。月4回の貸出で年間約38,400円の差になるため、手数料率は長期的には無視できない要素です。
一方で、サービス開始から日が浅く、登録車両数・利用者数の実績データはまだ公表されていません。また、車両保険の上限が300万円と他社より低いため、高額車両のオーナーは補償内容を慎重に確認する必要があります。
3社比較表
| DriveShare | CAR-RING | クルマル | |
|---|---|---|---|
| 運営会社 | CarOwnersClub | IGNIS GATE | Trust Mobility Hub |
| サービス開始 | 2024年11月(Web)、2025年2月(アプリ) | 2025年2月 | 2026年1月 |
| オーナー手数料 | 15% | 非公開 | 3〜5% |
| 保険料(24h) | 3,500円 | 実装済み(詳細非公開) | 3,300円 |
| 車両補償上限 | 1,000万円 | 非公開 | 300万円 |
| 対応形態 | アプリ(iOS/Android) | Web | Web(アプリ開発中) |
| 登録台数 | 380台以上 | 非公開 | 非公開 |

Anyca(エニカ)の現状

Anycaは2024年12月31日に個人間カーシェアサービスを終了しました。現在はAnyca Officialとしてレンタカー事業(B2C)を継続していますが、個人がマイカーを貸し出す機能はありません。
「Anyca カーシェア オーナー」で検索してたどり着いた方は、上記3サービスが現在の選択肢となります。
【参考】
カーシェアで車を貸す手順|登録から貸出までの流れ

登録の手順
個人間カーシェアでオーナーになるまでの基本的な流れは、どのサービスでもおおむね共通しています。
✅ 登録の基本ステップ:
- サービス選択とアカウント作成:メールアドレスまたはSNS連携で会員登録
- 本人確認(eKYC):運転免許証の撮影とセルフィーによるオンライン本人確認
- 車両情報の登録:車検証に記載された車両情報(車種・年式・走行距離等)を入力
- 審査・承認:プラットフォーム側の審査を経て、貸出が可能に
🔧 必要な書類:
- 有効期限内の運転免許証
- 車検証(有効期限内であること)
- 任意保険の保険証券
登録費用は3サービスとも無料です。審査期間はサービスによりますが、数日〜1週間程度が一般的です。
車両の掲載と共同使用料の設定
登録が完了したら、車両の情報を掲載して利用者からの予約を受け付けます。
📷 車両写真のポイント:
- 外装は前方・側面・後方の3方向から明るい場所で撮影
- 内装は運転席まわり・後部座席・トランクを撮影
- 装備品(カーナビ、ETC、チャイルドシート固定金具等)があれば個別に撮影
- 既存の傷や汚れがあれば、事前に撮影しておく(トラブル防止)
📝 掲載文の書き方:
- 車種・年式・走行距離の基本情報に加え、利用シーンの提案(「キャンプに最適」「家族旅行にぴったり」等)を200〜300字程度で記載
- 禁煙車かどうか、ペット同乗の可否など利用条件を明記
💰 共同使用料の設定:
- 同じエリア・同じ車種の掲載を見て相場を確認する
- 維持費から逆算して損益分岐点を把握する
- 個人間カーシェアの共同使用料は維持費の実費範囲内が原則であることを念頭に置く
貸出可能な日時は自分のスケジュールに合わせて自由に設定できます。最初は週末のみから始め、需要を見ながら平日にも広げていくのが堅実です。
車の受け渡しと返却の流れ
初めての貸出で最も不安を感じやすいのが、当日の受け渡しです。基本的な流れを把握しておけば問題ありません。
🚗 貸出時(対面受け渡しの場合):
- 約束した日時・場所で待ち合わせ
- お互いの本人確認(プラットフォームのプロフィール画面等で照合)
- アプリ上で共同使用契約の締結手続きを行う(DriveShareの場合、これにより保険が適用開始)
- 車両状態の共同確認:外装の傷、燃料残量、走行距離を二人で確認し、写真を撮影
- 鍵の受け渡し
🔑 返却時:
- 車両の外装・内装の状態を確認(新しい傷がないか)
- 燃料残量の確認(満タン返しのルールがある場合)
- 車内清掃の状態を確認
- 鍵の返却
- アプリ上でシェア完了の手続きとレビューの投稿
⚠️ 貸出前後の写真撮影は最重要です。万が一の損傷トラブル時に、貸出前からあった傷なのか利用中にできた傷なのかを判別する唯一の証拠になります。外装の全周囲に加え、ホイールや内装の状態も撮影しておくと安心です。
カーシェアオーナーになる前に確認すべきこと
保険の仕組みと確認ポイント

個人間カーシェアでは、プラットフォームが専用の保険を用意しているのが標準的な仕組みです。利用者が車を借りる際にこの保険が自動的に(または手続きにより)適用されるため、オーナーが個別に保険を手配する必要は基本的にありません。
各サービスの保険を比較すると、以下のようになります。
| DriveShare | クルマル | |
|---|---|---|
| 保険料(24h) | 3,500円 | 3,300円 |
| 対人賠償 | 無制限 | 無制限 |
| 対物賠償 | 無制限(免責10万円) | 無制限 |
| 車両補償 | 上限1,000万円(免責10万円) | 上限300万円 |
| 人身傷害 | 5,000万円 | 記載を要確認 |
| ロードサービス | 付帯 | 記載を要確認 |
| 引受保険会社 | 三井住友海上 | 公式サイトで確認 |
🔍 確認すべきポイント:
- 車両補償の上限:自分の車の時価額が補償上限を超えていないか。クルマルの300万円は、高年式のミニバンやSUVでは不足する可能性がある
- 免責金額:事故時にオーナー(またはドライバー)が自己負担する金額
- 補償対象外のケース:飲酒運転、無免許運転、非会員による運転など
- 自分の任意保険との関係:カーシェア利用中はプラットフォーム保険が適用されるため、自分の任意保険の等級には影響しないのが一般的
保険の詳しい補償内容が気になる方は、各サービスの公式サイトで最新の約款を確認してください。保険に関する基本的な知識は一人暮らしで必要な保険の種類と選び方でも解説しています。
知っておくべきリスク
車を他人に貸し出す以上、リスクをゼロにすることはできません。事前に認識しておくべきリスクを整理します。
🚨 主なリスク:
- 車両の摩耗・価値低下:走行距離の増加はリセールバリュー(売却時の査定額)に直結する。年間走行距離が増える分を事前に見積もり、売却予定時期と照合して判断する
- 事故・車両損傷:保険でカバーされるとはいえ、修理期間中は車を使えず、手続きの手間もかかる
- 利用者とのトラブル:遅刻、車内の汚損、禁煙ルールの違反など。プラットフォームのサポートを活用しつつ、事前のルール明示で予防する
- 収入の不安定性:利用者数がプラットフォームの成長段階に依存するため、安定収入として計算しづらい
向いている人・向いていない人

個人間カーシェアのオーナーには向き不向きがあります。始める前の判断材料として参考にしてください。
✅ 向いている人:車を週3日以上使わない、都市部や観光地の周辺に住んでいる、他人に車を使われることに抵抗が少ない、トラブル対応にストレスを感じにくい、月2〜3万円の副収入に魅力を感じる
❌ 向いていない人:車を毎日使う、他人に車を使われることに強い抵抗がある、地方の住宅地で周辺にカーシェア需要が見込めない、車の傷や汚れに対して神経質である
💡 ローン残債がある車の場合:所有権がディーラーや信販会社の名義になっている(所有権留保)ケースでは、契約上「第三者への貸与」が制限されている可能性があります。カーシェアに出す前に、ローン契約書の内容を確認してください。
カーシェア収入の税金と確定申告

所得区分の判定
カーシェアで得た共同使用料は所得として税務申告が必要になる場合があります。
会社員・公務員などの給与所得者の場合、カーシェア収入から経費を差し引いた「所得」が年間20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下であっても、住民税の申告は別途必要になる点には注意してください。
所得区分としては**「雑所得」**に該当するケースが一般的です。帳簿を備え付けて事業として反復継続的に行っている場合は「事業所得」に区分される可能性もありますが、実態で総合的に判断されます。カーシェアの収入規模で事業所得が認められるケースは限定的です。
経費として認められる項目
共同使用料の全額が課税対象になるわけではありません。カーシェアに関連する支出を経費として差し引くことで、課税所得を減らせます。
💰 主な経費項目:
- ガソリン代、駐車場代、任意保険料
- 車検代、メンテナンス費用(オイル交換、タイヤ交換等)
- 自動車税、重量税
- プラットフォーム手数料
- 減価償却費(普通車の耐用年数6年、軽自動車4年)
プライベートでも使用する車の場合は、使用割合に応じた按分計算が必要です。もっとも客観的で説明しやすいのは走行距離ベースの按分です。たとえば年間走行距離1万kmのうちカーシェア利用が3,000kmであれば、按分割合は30%となり、各経費の30%を計上できます。
⚠️ 按分の根拠となる走行距離記録や利用日の記録は必ず保管しておきましょう。税務調査の際に求められることがあります。
確定申告の基本
確定申告は**e-Tax(国税電子申告)**を利用するのが便利です。マイナンバーカードまたはID・パスワード方式でオンラインから申告できます。
📋 確定申告の流れ:
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を作成
- 雑所得の欄に、カーシェア収入から経費を差し引いた金額を記入
- e-Taxで電子提出、または印刷して税務署へ郵送・持参
📂 保管が必要な書類(最低7年間):
- プラットフォームからの収入明細
- 経費の領収書・レシート
- 走行距離記録(スプレッドシートや家計簿アプリでの管理が有効)
なお、以前存在した「確定申告書A」は2022年分から廃止され、現在は**「確定申告書」に一本化**されています。古い情報サイトに「確定申告書Aを使う」と書かれている場合がありますが、現在は1種類のみです。
カーシェアのトラブル事例と対策
よくあるトラブルと対策

個人間カーシェアで発生しやすいトラブルと、事前にできる対策をまとめます。
🔧 車両の損傷・事故
もっとも深刻なトラブルです。対策の核心は貸出前後の写真撮影の徹底に尽きます。外装全周囲、ホイール、内装の状態を撮影し、タイムスタンプ付きで記録しておきます。事故が発生した場合は、まず警察に届け出たうえで、速やかにプラットフォームのサポートに連絡してください。
⏰ ドタキャン・返却遅延
前日に確認メッセージを送ることで直前キャンセルの発生率を下げられます。各プラットフォームのキャンセルポリシーを事前に利用者へ伝えておくことも有効です。返却遅延に備えて、次の予約との間に30分以上の緩衝時間を設けるのが安全です。
🚗 交通違反通知
利用中にドライバーが交通違反をした場合、その場で違反切符が切られるケースと、後日オーナー宛に通知が届くケースがあります。後者の場合は、ドライバーに連絡して対応を要請するとともに、カーシェアの利用記録を持参して警察署でシェア期間中の違反であることを申告してください。
🚭 車内マナー違反(喫煙・汚損)
掲載ページに利用条件(禁煙、ペット不可等)を明記し、受け渡し時にも口頭で伝えます。返却時に違反が発覚した場合は、写真を記録したうえでプラットフォームのサポートに報告してください。

撤退を検討する判断基準
始めてみたものの思うようにいかない場合は、無理に続ける必要はありません。
🛑 撤退の判断基準:
- 月間収入1万円未満が3ヶ月以上続いている
- 受け渡しや連絡の手間を時給換算すると割に合わない
- 事故やトラブルによる精神的負担が大きい
個人間カーシェアの法的な位置づけと注意点
「共同使用契約」の法的根拠

個人間カーシェアは、道路運送法で規定される「自家用自動車の有償貸渡」(レンタカー業)とは異なる位置づけです。**「共同使用契約」**に基づいてオーナーとドライバーが1台の車を共同使用する形態をとるため、レンタカー業の許可なく運営できるとされています。
ただし、この位置づけが成立するための条件として**「実費原則」**があります。オーナーが受け取る共同使用料は、車の維持にかかる実費(ガソリン代、減価償却費、保険料、税金、駐車場代、メンテナンス費用等)の範囲内であることが前提です。
プラットフォーム各社も、この実費原則を担保するために**共同使用料の上限設定(価格キャップ)**などの自主規制を導入しています。
違法にならないための注意点
⚠️ 守るべきルール:
- 維持費を大幅に超える金額の設定はしない:利益目的の価格設定は有償貸渡とみなされるリスクがある
- ドライバーの代わりに運転してはいけない:オーナーが運転して利用者を運ぶ行為は「白タク」(道路運送法違反)にあたる
- プラットフォームを介さない個人間取引は避ける:保険が適用されず、法的リスクも高い
よくある質問
- 個人間カーシェアは違法ではないのか?
-
「共同使用契約」に基づく仕組みであり、レンタカー業の許可は不要です。ただし、オーナーが受け取る共同使用料は維持費の実費範囲内である必要があります。
- 自分の車を貸すのにレンタカー業の許可は必要か?
-
プラットフォームを通じた共同使用契約であれば不要です。プラットフォームを介さず個人で直接有償貸渡する場合は許可が必要になります。
- Anyca終了後、車を貸せるサービスはあるか?
-
DriveShare、CAR-RING、クルマルの3サービスが稼働しています。
- 車を貸している間の事故は誰の責任になるか?
-
プラットフォーム提供の保険が適用されます。対人対物は無制限補償が一般的で、車両補償にはサービスごとに上限があります(DriveShareは1,000万円、クルマルは300万円)。
- 地方でも個人間カーシェアは成り立つか?
-
観光地周辺であれば需要が見込めます。CAR-RINGは地方・離島への展開を視野に入れたサービスです。ただし、一般的な住宅地では稼働率が低くなる傾向があります。
- ローン返済中の車でもカーシェアに出せるか?
-
所有権がディーラーや信販会社の名義になっている場合、ローン契約書に「第三者への貸与」に関する制限条項がないか確認してください。
- 駐車場も一緒に貸し出せるか?
-
車を貸している時間帯に駐車場が空くため、akippaなどの駐車場シェアサービスを併用する「二重収益化」が可能です。
まとめ
個人間カーシェアは、使わない時間の車を活用して維持費の負担を軽減できる手段です。Anyca終了で市場は一時縮小しましたが、DriveShare・CAR-RING・クルマルという3つのサービスが新たな選択肢として登場しています。
サービス選びでは、手数料率と車両保険の補償上限が特に重要な比較ポイントです。手数料は年間で数万円の差になり、保険の上限は万が一の際の自己負担額に直結します。
はじめの一歩としては、まずいずれかのサービスに無料登録し、自分の車種・エリアでどの程度の需要があるかを確認してみるのがおすすめです。いきなり高稼働を目指すのではなく、月1〜2回の貸出から始めて、手順やリスクの感覚をつかんでから頻度を増やしていくのが堅実な進め方です。
固定費の見直しと組み合わせれば、家計改善の効果はさらに大きくなります。電気代の節約方法や家賃交渉のコツも参考にしてみてください。

