一人暮らしを始める方や通信費の見直しを検討されている方にとって、インターネット回線の選択は重要な課題です。ポケットWi-Fiは手軽に利用できる反面、安定性に不安が残る場合も。一方、光回線は高速で安定した通信が魅力ですが、工事や初期費用がネックになることも。さらに近年は「ホームルーター」という新たな選択肢も登場し、どれを選ぶべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
2025年現在、通信技術は急速に進化しており、5G対応のポケットWi-Fiやホームルーターが普及し、データ容量も無制限プランが一般的になってきました。月々の料金やサービス内容も各社で競争が激化し、以前よりもお得に契約できる可能性が高まっています。
本記事では、以下の3つの観点から、一人暮らしの方に最適なインターネット環境をご提案します:
- コストパフォーマンス:初期費用と月額料金、長期的な総支払額の比較
- 利便性と機能性:工事の有無、使いやすさ、持ち運びの可否
- 通信品質:速度、安定性、データ容量制限の有無
自分のライフスタイルに合った選択ができるよう、最新情報をもとに徹底比較していきましょう。引っ越しが多い方、外出が多い方、在宅でテレワークが中心の方など、それぞれの生活パターンに適したおすすめプランもご紹介します。
ポケットWi-Fi・光回線・ホームルーター それぞれの特徴は?
インターネット回線にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは代表的な「ポケットWi-Fi」「光回線」「ホームルーター」の3つについて、基本的な仕組みとメリット・デメリットの概要を見ていきましょう。
ポケットWi-Fiとは?手軽さと携帯性が魅力
ポケットWi-Fi(モバイルルーターとも呼ばれます)は、スマートフォンなどと同じモバイル回線(4G LTEや5G)を利用してインターネットに接続するための、持ち運び可能な小型通信端末です。カバンに入れて持ち歩けるため、外出先でもパソコンやタブレット、ゲーム機などをインターネットに繋ぐことができます。
メリット概要
最大のメリットは、その携帯性です。自宅だけでなく、通勤・通学中、カフェ、旅行先など、電波が届けばどこでもWi-Fi環境を構築できます。また、回線工事が不要で、端末が届けば簡単な設定だけですぐに利用を開始できる手軽さも魅力です。
デメリット概要
モバイル回線を利用するため、利用場所によっては電波が不安定になったり、繋がりにくかったりすることがあります。また、光回線と比較すると通信速度や安定性の面では劣る傾向があり、大容量通信には制限がかかるプランもあります。バッテリーで駆動するため、充電が必要で、長期間の使用でバッテリーが劣化する可能性もあります。
光回線とは?速度と安定性の王道
光回線は、光ファイバーケーブルを自宅まで直接引き込み、インターネットに接続する方式です。現在、最も高速かつ安定した通信が期待できるインターネット回線として主流になっています。
メリット概要
最大の強みは、通信速度の速さと通信の安定性です。大容量データの送受信や、複数デバイスの同時接続、オンラインゲーム、高画質動画の視聴などもストレスなく快適に行えます。データ容量も実質無制限で利用できるプランがほとんどです。
デメリット概要
利用開始には開通工事が必要となり、申し込みから利用開始まで時間がかかる場合があります。また、工事費が発生することも考慮する必要があります。ケーブルを引き込むため、基本的に自宅でしか利用できず、持ち運ぶことはできません。引っ越し時には移転手続きや、場合によっては再度工事が必要になることもあります。
ホームルーターとは?工事不要の据え置き型Wi-Fi
ホームルーターは、ポケットWi-Fiと同様にモバイル回線(主に5Gや4G LTE)を利用しますが、持ち運びを前提とせず、自宅などに据え置いて使うタイプのWi-Fiルーターです。コンセントに挿すだけで利用を開始できます。
メリット概要
光回線のような開通工事が不要で、コンセントに挿すだけでWi-Fi環境が整う手軽さが最大のメリットです。申し込みから利用開始までの期間が短く、引っ越し時もコンセントを差し替えれば(エリア内であれば)そのまま使える場合が多いです。ポケットWi-Fiよりもアンテナ性能が高く、複数デバイスの同時接続に強い傾向があります。
デメリット概要
基本的には据え置き型のため、ポケットWi-Fiのように外出先に持ち運んで使うことは想定されていません(一部持ち運び可能なモデルもあります)。モバイル回線を利用するため、光回線ほどの通信速度や安定性は期待できず、設置場所や周辺環境によって通信状況が影響を受ける可能性があります。また、利用できるエリアが限定されている場合もあります。
【徹底比較】ポケットWi-Fi vs 光回線 vs ホームルーター
ここからは、「ポケットWi-Fi」「光回線」「ホームルーター」の3つのサービスを、気になる項目ごとに詳しく比較していきます。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、自分に合った回線を見つけるための参考にしてください。
料金で比較:月額料金・初期費用・スマホセット割
インターネット回線を選ぶ上で、料金は非常に重要なポイントです。月額料金だけでなく、初期費用や割引制度も考慮して比較しましょう。
月額料金の相場
一般的に、月額料金の相場は以下のようになります(2025年4月時点、プランや契約期間により変動します)。
- 光回線: 4,000円~6,000円程度(マンションタイプか戸建てタイプかで変動)
- ホームルーター: 4,000円~5,000円程度
- ポケットWi-Fi: 3,000円~5,000円程度
契約するプロバイダやキャンペーン、契約期間によって料金は大きく変わるため、複数のサービスを比較検討することが大切です。
初期費用(工事費・端末代金)
利用開始時にかかる初期費用も確認が必要です。
- 光回線: 開通工事費(派遣工事ありの場合、2万円~4万円程度が相場ですが、キャンペーンで実質無料になることも多い)と契約事務手数料(3,300円程度)がかかります。
- ホームルーター: 工事費は不要ですが、契約事務手数料(3,300円程度)と端末代金が必要です。端末代金は数万円しますが、分割払いと同額の割引が適用され、実質無料となるケースが多く見られます。
- ポケットWi-Fi: ホームルーターと同様に工事費は不要で、契約事務手数料(3,300円程度)と端末代金がかかります。こちらも端末代金が実質無料になるキャンペーンが一般的です。
契約期間と解約金
多くのサービスでは契約期間(主に2年)が設けられており、期間内の解約には解約金(違約金)が発生します。最近は契約期間の縛りがないプランや、解約金が比較的安価(月額料金1ヶ月分相当など)なプランも増えています。契約時には、契約期間と解約金の条件をしっかり確認しましょう。また、端末代金を分割払いにしている場合、解約時に残債の一括支払いが必要になる点にも注意が必要です。
スマホセット割でお得になる組み合わせ【最新情報】
お使いのスマートフォンとのセット割を利用すると、通信費全体を大幅に節約できる可能性があります。代表的な組み合わせは以下の通りです(割引額や適用条件はプランにより異なります)。
- ドコモユーザー: ドコモ光(ドコモ光セット割)
- auユーザー: auひかり、ビッグローブ光、So-net光などの提携光回線、またはWiMAX +5G(auスマートバリュー)
- ソフトバンクユーザー: SoftBank光・SoftBank Air(おうち割 光セット)
- UQ mobileユーザー: auひかり、ビッグローブ光、So-net光などの提携光回線、またはWiMAX +5G(自宅セット割)
- ワイモバイルユーザー: SoftBank光・SoftBank Air(おうち割 光セット(A))
ご自身のスマホキャリアに合わせて最適な回線を選ぶことで、毎月最大1,000円以上の割引を受けられる場合もあります。
通信速度で比較:速さを求めるならどれ?
通信速度は、インターネットの快適さを左右する重要な要素です。理論上の最大速度だけでなく、実際の利用環境に近い「実測値」も意識しましょう。
理論値と実測値の目安
各サービスが公表している最大通信速度(理論値)は、あくまで技術規格上の最高速度であり、常にその速度が出るわけではありません(ベストエフォート方式)。実際の速度(実測値)は、利用環境や時間帯によって大きく変動します。
- 光回線: 最大速度は1Gbps~10Gbpsのプランが主流です。実測値でも数百Mbps~1Gbps超と比較的高速な速度が期待できます。
- ホームルーター: 5G対応機種では最大2Gbps~4Gbps超の理論値を持つものもあります。実測値は環境によりますが、数十Mbps~数百Mbps程度が目安です。
- ポケットWi-Fi: ホームルーターと同様に5G対応機種で最大1Gbps~4Gbps超の理論値があります。実測値は数十Mbps~数百Mbps程度が目安ですが、持ち運び先や電波状況による変動が大きくなります。
実測値については、「みんなのネット回線速度」のようなユーザー投稿型の速度測定サイトを参考にすると、実際の利用感に近い速度を把握しやすくなります。
上り・下り速度の違いと影響
通信速度には下り(ダウンロード)と上り(アップロード)があります。
- 下り速度: Webサイトの閲覧、動画視聴、アプリのダウンロードなど、データを受信する際の速度です。
- 上り速度: メールの送信、SNSへの写真・動画投稿、ファイルのアップロード、ライブ配信など、データを送信する際の速度です。
一般的にインターネット利用では下り速度が重視されますが、高画質な写真や動画を頻繁にアップロードする方、ライブ配信を行う方は上り速度も重要です。光回線は上り速度も高速な場合が多いですが、ホームルーターやポケットWi-Fiは、プランによっては上り速度が下りほど速くないことがあります。
5G対応状況とエリア
ホームルーターとポケットWi-Fiの多くは、高速・大容量通信が可能な5Gに対応しています。ただし、5Gを利用できるエリアはまだ限定的であり、主に都市部中心となっています。契約前に、利用したい場所が5Gの提供エリア内かどうかを必ず確認しましょう。エリア外の場合は、4G LTEでの通信となります。光回線はモバイル回線とは異なるため、5Gという概念はありません。
通信の安定性で比較:途切れにくさは?
動画視聴中やオンライン会議中に通信が途切れてしまうと困りますよね。通信の安定性も回線選びの重要なポイントです。
接続方式による安定性の違い
光回線は、自宅まで物理的な光ファイバーケーブル(有線)で接続されるため、外部からの電波干渉を受けにくく、最も通信が安定しています。一方、ホームルーターとポケットWi-Fiは、モバイル回線(無線)を利用するため、周囲の電波状況や障害物、天候などの影響を受けやすく、光回線ほどの安定性は期待できません。
オンラインゲームやWeb会議での適性
リアルタイム性が求められるオンラインゲーム(特にFPSなど)や、重要なWeb会議では、通信の安定性と低遅延(Ping値が低いこと)が非常に重要です。これらの用途では、光回線が圧倒的に有利です。ホームルーターやポケットWi-Fiでも利用は可能ですが、時間帯や環境によっては動作が不安定になったり、遅延が発生したりするリスクがあります。
時間帯や環境による影響
ホームルーターやポケットWi-Fiなどのモバイル回線は、多くの人がインターネットを利用する夜間や休日などに、回線が混雑して速度が低下しやすい傾向があります。また、鉄筋コンクリートの建物や、壁際・窓際から離れた場所では電波が届きにくくなり、通信が不安定になることがあります。ホームルーターの設置場所は、電波状況の良い窓際などが推奨されます。
データ容量・通信制限で比較:無制限に使えるのは?
動画視聴やオンラインゲーム、大容量ファイルのダウンロードなどを頻繁に行う場合、データ容量や通信制限の有無が重要になります。
実質無制限プランの比較
光回線は、基本的にデータ容量は無制限で、どれだけ使っても速度制限がかかることはほとんどありません(一部例外的なプランやプロバイダ規定を除く)。
ホームルーターとポケットWi-Fiでは、「データ容量無制限」を謳うプランが多く提供されています。しかし、これらの多くは「実質無制限」であり、「ネットワーク混雑回避のため、一定期間内に著しく大量のデータ通信を行った場合、通信速度を制限することがあります」といった注意書きがあることが一般的です。完全に無制限ではない可能性がある点に注意が必要です。
速度制限の条件と制限後の速度
ホームルーターやポケットWi-Fiで速度制限がかかる条件は、サービスによって異なります。よくあるのは、「3日間で合計〇GB以上利用した場合」に、翌日の一定時間帯(例:夜間)の通信速度が制限されるというものです。また、WiMAX +5Gなどでは、標準モードとは別に、より広いエリアで使える有料オプションモード(プラスエリアモード、アドバンスモードなど)に月間のデータ容量制限(例:15GBや30GB)が設けられている場合があります。
制限後の速度は、サービスによりますが、最大1Mbpsや最大128kbpsなどに制限されることが多く、この速度になるとWebサイトの表示が遅くなったり、動画視聴が困難になったりします。
工事・設定の手間で比較:すぐに使えるのは?
申し込みから利用開始までのスピードや、設定の簡単さも選ぶ上でのポイントです。
工事の要否と期間
光回線は、基本的に開通工事が必要です。特に戸建てタイプや、マンションに設備が導入されていない場合は、作業員が訪問して工事を行います。申し込みから開通までには数週間~2ヶ月程度かかることも珍しくありません。引っ越しシーズンなどはさらに時間がかかる可能性があります。
一方、ホームルーターとポケットWi-Fiは、工事不要です。端末が届けば、すぐに利用を開始できます。申し込みから数日~1週間程度で端末が届くことが多いです。
設定の難易度とサポート体制
ホームルーターとポケットWi-Fiの設定は非常に簡単です。基本的には、電源を入れて、スマートフォンやパソコン側でWi-Fiのパスワードを入力するだけで接続できます。
光回線の場合は、送られてくるONU(回線終端装置)とWi-Fiルーター(自分で用意するかレンタル)を接続し、Wi-Fiの設定を行う必要があります。以前より設定は簡単になっていますが、機器の接続や設定に不安がある場合は、訪問サポートなどのオプションを利用できる場合もあります。
携帯性・利用場所で比較:どこで使いたい?
インターネットをどこで使いたいかによって、最適な選択肢は変わってきます。
持ち運びの可否
ポケットWi-Fiは、バッテリーを内蔵し小型軽量なため、自由に持ち運んで外出先で利用できます。これが最大のメリットです。
光回線とホームルーターは、据え置き型のため、基本的に持ち運んで使うことはできません。ただし、ホームルーターはコンセントがあれば使えるため、引っ越し時の移動は光回線より楽です。
利用可能エリアの広さ
光回線は、全国的に広く普及していますが、一部エリアや建物では提供されていない場合があります。特に古い建物や集合住宅では、設備状況によって希望のサービスが利用できないこともあります。
ホームルーターとポケットWi-Fiは、契約するキャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなど)のモバイル回線エリアに依存します。都市部では広いエリアをカバーしていますが、山間部や郊外では繋がりにくい場合があります。契約前に、自宅やよく利用する場所が提供エリア内かどうか、必ず確認することが重要です。各社の公式サイトでエリアマップを確認できます。
屋内・屋外での使い勝手
ポケットWi-Fiは、屋内・屋外を問わず利用できます。光回線は屋内専用です。ホームルーターも屋内での利用が基本となり、最適なパフォーマンスを得るためには、屋内でも電波の受信しやすい窓際などに設置することが推奨されます。
利用シーン別!あなたにおすすめのインターネット回線はこれ
ここまで比較してきた内容を踏まえ、具体的な利用シーンごとに、どのインターネット回線がおすすめかをまとめました。ご自身の使い方に最も近いシーンを参考にしてみてください。
一人暮らし:コスパと手軽さ重視なら?
一人暮らしの場合、インターネットの利用頻度や目的に合わせて選択肢が分かれます。
- 手軽さ重視、外出先でも使いたい場合: ポケットWi-Fiが便利です。工事不要ですぐに使え、持ち運びも可能です。
- 工事不要で自宅メイン、ある程度の安定性も欲しい場合: ホームルーターが有力候補。コンセントに挿すだけで使え、ポケットWi-Fiより安定しやすい傾向があります。
- オンラインゲームや動画を高画質で楽しみたい、安定性重視の場合: 多少コストや手間がかかっても光回線を選ぶ価値があります。
コストパフォーマンスを重視するなら、月額料金だけでなく、スマホセット割やキャンペーンも比較して選びましょう。
ファミリー世帯:複数デバイスで安定して使いたいなら?
ファミリー世帯では、スマートフォン、パソコン、タブレット、ゲーム機、スマート家電など、多くのデバイスを同時にインターネットに接続することが考えられます。また、家族それぞれが動画視聴やオンライン学習などでデータ通信量が多くなる可能性もあります。
このようなケースでは、通信速度が速く、安定しており、データ容量も実質無制限である光回線が最もおすすめです。複数デバイスを同時接続しても速度が低下しにくく、家族全員がストレスなくインターネットを利用できます。
在宅ワーク・リモートワーク中心:安定性と速度が必須なら?
在宅ワーク・リモートワークでは、Web会議のスムーズな進行や、大容量ファイルの送受信が業務の質に直結します。そのため、通信の安定性と十分な通信速度(特に上り速度も重要)が不可欠です。
この用途には、光回線が最適と言えるでしょう。安定した接続環境は、業務効率の向上とストレス軽減につながります。もしもの回線トラブルに備えて、バックアップ回線としてポケットWi-Fiやスマートフォンのテザリングを用意しておくのも良い方法です。
オンラインゲーム・高画質動画視聴が多い:速度と低遅延を求めるなら?
オンラインゲーム(特にFPSや格闘ゲームなど反応速度が重要なもの)や、4Kなどの高画質動画を快適に楽しむためには、高速であること、安定していること、そして遅延が少ない(Ping値が低い)ことが重要です。
これらの要求に最も応えられるのは光回線です。ホームルーターやポケットWi-Fiでは、時間帯や環境によってラグ(遅延)が発生したり、画質が低下したりする可能性があるため、ヘビーユーザーには光回線をおすすめします。
外出先での利用が多い:場所を選ばず使いたいなら?
カフェやコワーキングスペース、移動中の電車内など、外出先でインターネットを利用する機会が多い方には、ポケットWi-Fiが唯一の選択肢となります。小型で軽量なため、気軽に持ち運んでどこでもWi-Fi環境を構築できます。
ただし、スマートフォンのテザリング機能でも同様のことは可能です。利用頻度やデータ容量、バッテリー消費などを考慮し、ポケットWi-Fiを契約するか、スマートフォンのプランを見直すかを検討しましょう。
引っ越しが多い・転勤族:手続きの手間を省きたいなら?
引っ越しのたびにインターネット回線の手続きをするのは面倒なものです。光回線の場合、移転手続きや再度工事が必要になることが多く、時間と手間がかかります。
工事不要で、住所変更の手続きだけで(または手続き不要で)引っ越し先でも利用を継続できる可能性があるホームルーターやポケットWi-Fiは、引っ越しが多い方にとって非常に便利です。
各回線のメリット・デメリット(まとめ)
改めて、ポケットWi-Fi、光回線、ホームルーターそれぞれのメリットとデメリットを整理しておきましょう。
ポケットWi-Fiがおすすめな人・メリット・デメリット詳細
おすすめな人: 外出先でのインターネット利用が多い人、工事不要で手軽に始めたい単身者、一時的にWi-Fi環境が必要な人。
メリット
携帯性と手軽さが最大の魅力です。主なメリットは以下の通りです。
- 場所を選ばずどこでもインターネットが使える高い携帯性
- 面倒な回線工事が不要で、端末が届けばすぐに利用開始できる
- 複雑な設定がほとんど不要で、初心者でも扱いやすい
- スマートフォンのデータ容量を節約したり、通信制限時の補助回線として活用できる
デメリット
通信の不安定さと制限に注意が必要です。主なデメリットは以下の通りです。
- 光回線と比較すると、通信速度や安定性の面で劣る場合がある
- 利用する場所によっては電波が繋がりにくい、または圏外になることがある
- プランによってはデータ容量に制限があり、使いすぎると速度が低下する
- バッテリーで駆動するため、充電が必要で、長期間の使用で劣化する可能性がある
光回線がおすすめな人・メリット・デメリット詳細
おすすめな人: 通信速度と安定性を最重視する人、家族で複数のデバイスを使う世帯、在宅ワーク中心の人、オンラインゲームや高画質動画を快適に楽しみたい人。
メリット
速度と安定性は他の追随を許さないのが光回線です。主なメリットは以下の通りです。
- 他の回線と比較して通信速度が非常に速い
- 物理的なケーブルで接続するため、通信が非常に安定している
- データ容量は実質無制限で、使いすぎを気にする必要がほとんどない
- 複数デバイスの同時接続にも強く、速度が低下しにくい
デメリット
導入の手間と場所の制約がネックになることがあります。主なデメリットは以下の通りです。
- 利用開始には基本的に開通工事が必要となる
- 申し込みから利用開始までに時間がかかる場合がある
- 月額料金は他の回線と比較してやや高めの傾向がある
- 自宅などの固定された場所でしか利用できず、持ち運びは不可
- 引っ越し時の手続きが煩雑で、移転先での工事が必要になる場合がある
ホームルーターがおすすめな人・メリット・デメリット詳細
おすすめな人: 回線工事をしたくない人、賃貸住宅などで工事が難しい人、引っ越しが多い人、手軽にWi-Fi環境を整えたい単身・二人暮らし世帯。
メリット
工事不要で手軽に安定した通信を利用できるのが魅力です。主なメリットは以下の通りです。
- 回線工事が不要で、コンセントに挿すだけで利用を開始できる
- 設定が非常に簡単で、機器が届けばすぐにWi-Fiが使える
- 光回線のような工事の手間や待ち時間がなく、導入が手軽
- ポケットWi-Fiと比較してアンテナ性能が高く、通信が安定しやすい傾向がある
デメリット
設置場所とモバイル回線の限界を理解しておく必要があります。主なデメリットは以下の通りです。
- 物理的な回線を引き込む光回線ほどの通信速度や安定性は期待できない
- 設置場所(窓際など)によって電波の受信状況が大きく変わり、パフォーマンスに影響する
- 基本的に据え置き型のため、ポケットWi-Fiのように持ち運んで使うことはできない
- プランによってはデータ容量に制限があったり、「実質無制限」でも使いすぎると制限されたりする可能性がある
契約前にチェック!失敗しないための選び方のポイント
どのインターネット回線を選ぶか決める前に、以下のポイントを必ずチェックして、後悔のない選択をしましょう。
- 利用場所のエリアと電波状況を確認する
ポケットWi-Fiやホームルーターを検討している場合は、自宅やよく利用する場所がサービス提供エリア内かどうか、各社の公式サイトで必ず確認しましょう。できれば、周辺の電波状況に関する口コミなども参考にすると良いでしょう。光回線の場合も、提供エリア内か、建物に設備が導入済みかを確認が必要です。 - お試し期間やキャンペーンを活用する
多くのサービスで、初期費用無料、月額料金割引、キャッシュバックなどのキャンペーンが実施されています。これらの特典をうまく活用することで、お得に契約できます。また、ホームルーターやポケットWi-Fiの一部サービスでは、無料お試し期間が設けられている場合があるので、実際の使用感を確かめてから契約するのもおすすめです。 - 契約期間の縛りと解約金を確認する
多くのプランには契約期間(例: 2年間)が設定されており、期間の途中で解約すると解約金(違約金)が発生します。契約前に、契約期間の有無、期間、解約金の金額をしっかりと確認しましょう。また、端末代金を分割払いにしている場合は、解約時に端末代金の残債を一括で支払う必要があるかどうかも確認が必要です。 - 自分のデータ使用量に合ったプランを選ぶ
自分が毎月どれくらいのデータ通信を行っているか(スマートフォンの利用状況などから)を把握し、それに合ったデータ容量のプランを選びましょう。動画視聴やオンラインゲームが多い場合は実質無制限プランが安心ですが、Webサイト閲覧やメールが中心であれば、容量が少なめの安価なプランで十分な場合もあります。 - 最新のサービス情報を比較検討する
インターネット回線のサービス内容や料金プランは、頻繁に変更されます。Webサイトの情報が古くなっている可能性もあるため、契約を申し込む直前には、必ず公式サイトなどで最新の情報を確認するようにしましょう。
まとめ:自分に最適なインターネット回線を見つけよう
ここまで、ポケットWi-Fi、光回線、ホームルーターの3種類のインターネット回線について、それぞれの特徴から料金、速度、利用シーンごとのおすすめまで詳しく比較・解説してきました。
結論として、「絶対にこれが一番良い」という回線はありません。大切なのは、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、ご自身のライフスタイルやインターネットの使い方(何を重視するか)に最も合ったサービスを選ぶことです。
- 手軽さや携帯性を重視するなら → ポケットWi-Fi
- 通信速度や安定性を最優先するなら → 光回線
- 工事不要の手軽さとある程度の安定性を両立したいなら → ホームルーター
この記事で比較した「料金」「速度」「安定性」「データ容量」「工事・設定の手間」「携帯性・利用場所」といったポイントを参考に、ぜひご自身にとってベストなインターネット回線を見つけて、快適なネットライフを送ってください。