賃貸で鍵を紛失したときの対処法と費用 オートロック・退去時の対応も解説

夕暮れのマンションオートロック前で、空のキーホルダーとスマホの緊急画面を見てパニックになっている日本人女性

「鍵がない」——ポケットを何度探しても見つからず、玄関の前で立ち尽くしてしまった経験はないだろうか。「オートロックだから全戸分の交換費用を請求されるかも」「数十万円の出費になったらどうしよう」と、頭の中で最悪のシナリオが駆け巡る。

賃貸物件での鍵紛失は、正しい対処法を知らないまま焦って行動すると、本来払わなくてよい費用まで負担してしまうことがある。一方で、火災保険や入居者サポートを活用すれば、開錠費用を無料に抑えられるケースも多い。

この記事では、主要管理会社5社(UR・大東建託・積水ハウス・大和リビング・レオパレス)への調査と国土交通省のガイドラインをもとに、以下を網羅的に解説する。

📋 この記事でわかること:

  • 鍵紛失時の正しい対処手順と連絡先
  • 鍵の種類別・状況別の費用相場
  • オートロック物件での対応と「全戸交換」の真実
  • 費用を抑えるための保険・サポート活用法
  • 退去時に鍵が足りない場合の対処法

結論から言えば、オートロック付き賃貸でも全戸交換を請求されることはまずない。適切な手順で対応すれば、想定より少ない負担で解決できる可能性が高い。

目次

賃貸で鍵を紛失したらまずやるべきこと

鍵を紛失したことに気づいたら、まず落ち着いて以下の3つのステップを順番に実行しよう。

落ち着いて心当たりを探す

焦って行動する前に、まずは心当たりのある場所を徹底的に探すことが重要だ。意外と身近な場所から見つかるケースも多い。

🔍 よくある紛失場所:

  • ズボンやジャケットのポケット
  • カバンの底や内ポケット
  • 玄関周りの棚・下駄箱の上
  • 車の中やシートの隙間
  • 立ち寄った店舗やコンビニ

見つからない場合は、1日の行動を書き出して、立ち寄った場所に電話で確認しよう。飲食店やコンビニでは、落とし物として保管されていることがある。

警察に遺失届を出す

心当たりを探しても見つからない場合は、最寄りの交番または警察署に遺失届を提出する。これは単なる形式的な手続きではなく、以下の理由から重要だ。

📝 遺失届が必要な理由:

  • 鍵が悪用された場合の証拠になる
  • 火災保険の鍵トラブル補償を受ける際の条件になることがある
  • 鍵が届けられた場合に連絡がもらえる

遺失届は警察庁の電子届出システムからオンラインでも提出可能だ。届出には、紛失した日時・場所・鍵の特徴(形状、キーホルダーの有無など)が必要になる。

管理会社・大家に連絡する

警察への届出と並行して、賃貸物件の管理会社または大家に連絡する。連絡を入れることで、スペアキーでの開錠や、提携業者の紹介を受けられる場合がある。

📞 電話で伝えるべき内容(例文):

「○○(物件名)○○号室の△△と申します。本日、部屋の鍵を紛失してしまいました。現在、家に入れない状態です。スペアキーでの対応、または業者の手配についてご相談したいのですが、どのように対応すればよいでしょうか」

⚠️ 深夜・休日で連絡がつかない場合:

  • 契約書に記載の緊急連絡先を確認
  • 24時間対応のサポートサービスに加入していれば、そちらに連絡
  • どちらもない場合は、自分で鍵業者を手配(後日、管理会社に報告)

連絡せずに放置するリスクも理解しておこう。鍵の紛失を報告しないまま過ごすと、退去時に発覚して費用を請求されるだけでなく、契約違反として扱われる可能性もある。防犯上の問題もあるため、早めの報告が重要だ。


賃貸の鍵紛失にかかる費用相場

鍵を紛失した場合、「開錠(鍵開け)」と「交換」の2つの費用が発生する可能性がある。それぞれの相場を鍵の種類別に確認しておこう。

鍵開け(開錠)の費用

鍵開けの費用は、鍵の種類と防犯性能によって大きく異なる

鍵の種類費用相場特徴
シリンダー錠(ギザギザ鍵)8,000〜15,000円最も一般的、作業時間10〜15分程度
ディンプルキー15,000〜25,000円防犯性が高く、作業に時間がかかる
電子錠・カードキー15,000〜30,000円特殊な技術が必要

⚠️ 追加料金が発生するケース:

  • 深夜・早朝(22時〜8時頃):+5,000〜10,000円
  • 土日祝日:+3,000〜5,000円
  • 出張費:距離によって別途発生

鍵交換の費用

鍵を紛失した場合、防犯上の理由からシリンダー(鍵穴)ごとの交換が必要になることが多い。

鍵の種類交換費用相場備考
シリンダー錠10,000〜20,000円部品代+作業費込み
ディンプルキー20,000〜35,000円防犯性が高い分、部品代が高額
電子錠・スマートキー35,000〜80,000円カード再発行費用含む場合あり

紛失時の鍵交換費用は、基本的に入居者の自己負担となる。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、「鍵の紛失の場合は、経過年数は考慮しない。交換費用相当分を借主負担とする」と明記されている。

費用負担は誰がする?

鍵関連の費用負担は、紛失の原因や状況によって異なる

状況費用負担者
入居者の過失による紛失入居者負担
経年劣化による故障貸主負担の場合あり
盗難(警察届出あり)保険適用の可能性あり
入居時の鍵交換契約による(入居者負担が多い)

オートロック付き賃貸で鍵を紛失した場合

オートロック付きマンションで鍵を紛失すると、「全戸分の交換費用を請求されるのでは?」と心配になる人も多い。結論から言うと、賃貸の場合は全戸交換を請求されることはまずない

全戸交換は必要?費用はいくら?

オートロックの共用エントランスを開けられる鍵を紛失しても、以下の理由から全戸交換が必要になるケースは極めて稀だ。

全戸交換が不要な理由:

  • 鍵だけでは住所を特定できない(身分証と一緒に落とさない限り)
  • オートロックは「入居者が通るタイミングで他の人も入れる」構造上の特性があり、鍵紛失だけで著しくセキュリティが低下するわけではない
  • ICチップ式の場合は個別IDで無効化できるケースも多い

実際に全戸交換が必要になるのは、分譲マンションで管理組合が判断した場合など、限定的なケースに留まる。賃貸物件では、入居者個人に全戸分の費用を請求されることは現実的に考えにくい。

オートロック付き物件の鍵交換費用

オートロック付き物件で鍵を紛失した場合の費用は、鍵のタイプによって異なる

鍵のタイプ費用相場特徴
逆マスターキー(自室+エントランス連動)25,000〜55,000円メーカー発注が必要、納期2〜4週間
自室のみ交換(エントランスは別鍵)15,000〜35,000円通常の鍵交換と同等
ICカードキー20,000〜40,000円カード再発行+登録変更費用

逆マスターキー(1本の鍵でエントランスと自室の両方を開けられるタイプ)の場合は、メーカーへの特注が必要となり、納期が2〜4週間かかることもある。その間は仮シリンダーで対応するか、エントランス用と自室用で別々の鍵を使い分けることになる。

高額請求された場合の対処法

万が一、相場を大きく上回る費用を請求された場合は、以下の対処法がある。

🛡️ 対処の手順:

  • 契約書・重要事項説明書の記載内容を確認
  • 費用の内訳(部品代・作業費・出張費)の説明を求める
  • 納得できない場合は消費者ホットライン(188)に相談
  • 法的なアドバイスが必要な場合は法テラス(無料法律相談)を活用

主要管理会社別|鍵紛失時の対応と連絡先

管理会社によって、鍵紛失時の対応は大きく異なる。ここでは主要5社の対応フローと注意点を解説する。

UR都市機構

UR都市機構はマスターキー(スペアキー)を保持していないという特徴がある。そのため、管理会社に連絡しても「開けてもらう」ことは物理的に不可能だ。

項目内容
連絡先住まいセンターまたは緊急事故受付センター(24時間)
対応内容開錠業者の紹介または自力手配の指示
費用全額自己負担(開錠+交換で5〜6万円規模も)
メリット入居時の鍵交換費用がかからない

URでは、入居時に貸与された鍵(通常3本)を退去時に全て返却する義務がある。1本でも紛失した場合は、防犯上の理由からシリンダー交換が必須となる。

大東建託(いい部屋ネット)

大東建託は「DK SELECT サポート24」という有料サポートサービスを提供しており、会員か非会員かで対応が大きく異なる

項目DK SELECT会員非会員
開錠費用無料(30分以内)全額自己負担
30分超過時10分ごとに追加料金
部品・交換代自己負担自己負担
対応提携業者を手配自力で業者探し

⚠️ 重要な注意点:サービス利用時には現住所が記載された顔写真付き身分証明書の提示が必須。財布ごと紛失した場合など、IDを提示できないとサービスを受けられない。

また、多くの物件で導入されている「DKロック」(電子錠)は、ICカードや暗証番号で開錠するため、物理的な鍵紛失のリスクが低いというメリットがある。ただし、暗証番号を連続5回間違えると約5分間ロックアウトされる点に注意。

積水ハウス(シャーメゾン)

積水ハウス不動産が管理する「シャーメゾン」は、サポートサービスと保険商品を明確に区分している点が特徴だ。

項目内容
サポート名シャーメゾンライフSUPPORT24
開錠費用無料(60分以内)
部品・交換代自己負担(保険適用外の場合)
連絡先「シャーメゾンライフCLUB」アプリまたは専用ダイヤル

積水ハウスの強みは、無料作業時間が60分と長い点。ディンプルキーなど開錠に時間がかかる鍵でも、追加料金なしで対応できる可能性が高い。

また、家財保険「シャーメゾンライフGUARD」に加入しており、かつ**盗難による紛失(警察への被害届が条件)**の場合は、シリンダー交換費用も補償対象になる場合がある。

大和リビング(D-room)

大和リビングの「D-room」は、カードキーの採用率が高いのが特徴。カードキーは防犯性が高い反面、紛失時の費用が高額になりやすい。

項目内容
鍵のタイプシャーロック社製カードキーが多い
紛失時の対応シリンダー交換+カード全枚数の再発行
営業時間外ダイワハウスインフォメーションセンター(有料
D-ROOM Card会員一部サポート特典あり

カードキーは街中の合鍵屋では複製できないため、紛失=シリンダーごと交換になるケースが多い。通常のギザギザ鍵より費用が高額になる傾向がある。

レオパレス21

レオパレス21は、会員と非会員の待遇差が最も明確な管理会社の一つだ。

項目サポート会員非会員
開錠費用無料日中31,350円 / 夜間36,850円
交換費用無料(条件付き)自己負担
退去時の違約金鍵1本につき約1,320円

会員向けの「入居者サポートシステム」に加入していれば、開錠だけでなく交換費用まで無料になる場合がある(警察届出等の条件あり)。これは他社にない大きなメリットだ。

一方、非会員の場合は夜間で約37,000円と、市場相場の上限に近い設定となっている。

また、レオパレスはBitkey社と提携し「LeoLock」というスマートロックの導入を進めており、物理鍵の紛失リスク自体を低減する方向に舵を切っている。

【補足】管理会社がわからない場合

管理会社の連絡先がわからない場合は、以下を確認しよう。

📋 確認場所:

  • 賃貸契約書・重要事項説明書の記載
  • 物件のエントランスや掲示板
  • 仲介してもらった不動産会社に問い合わせ

火災保険・入居者サポートで費用を抑える方法

鍵の紛失時に発生する費用は、火災保険や入居者サポートサービスで軽減できる可能性がある。ただし、補償内容には制限があるため、事前に確認しておくことが重要だ。

賃貸物件で加入する保険について詳しく知りたい場合は、一人暮らしで必要な保険の種類と選び方も参考にしてほしい。

火災保険の付帯サービスを確認

多くの火災保険には、「緊急駆けつけサービス」が付帯されている。これは鍵の紛失時に専門業者を派遣し、開錠作業を無料で行ってくれるサービスだ。

利用時の重要ポイント:

  • 必ず保険会社に先に連絡→指定業者が派遣される
  • 自分で業者を呼んでから後から請求することは不可
  • 利用回数は年1回までが一般的
  • 無料対応は30分程度の作業まで

火災保険で補償される範囲

火災保険の鍵トラブル対応は、「開錠」と「交換」で補償範囲が異なる点に注意が必要だ。

項目補償の可否備考
鍵開け(応急対応)○ 無料30分程度まで
鍵交換費用(紛失)× 対象外自己負担が一般的
鍵交換費用(盗難)△ 一部対象警察への被害届が必須
部品代× 対象外ほぼ全ての保険で自己負担

つまり、火災保険で期待できるのは「開錠」までであり、「交換」は自己負担と考えておくのが現実的だ。

24時間入居者サポートの活用

賃貸契約時に加入した「24時間駆けつけサービス」があれば、そちらも活用できる。月額数百円〜千数百円、または2年契約で1.5万〜2.5万円程度の有料サービスだ。

⚠️ サポートと保険の違い:

  • サポート:「人を派遣し、ドアを開ける」という役務を提供
  • 保険:「鍵交換の実費」という損害を金銭で填補するもの

この違いを理解しておかないと、「サポートに加入しているから交換費用も無料だろう」と思い込んで後から高額請求を受けることになる。

主要サポートサービスの比較

各管理会社のサポートサービスには、「無料作業時間」に大きな差がある。

スクロールできます
項目大東建託積水ハウスレオパレス大和リビング
開錠費用無料無料無料有料(基本)
無料作業時間30分60分規定なし契約による
交換費用自己負担自己負担※無料(条件付)自己負担
必須条件顔写真付ID顔写真付ID顔写真付ID顔写真付ID

※積水ハウスは「シャーメゾンライフGUARD」加入+盗難時のみ補償対象

30分と60分の差は大きい。ディンプルキーなど高難易度の開錠作業は30分を超えることがあるため、積水ハウスの60分枠は実質的に数千円〜1万円程度の価値がある。


鍵を1本だけ紛失した場合の対応

入居時に渡された鍵のうち、1本だけを紛失してスペアキーが手元にある場合の対応を解説する。

スペアキーがある場合

スペアキーで生活を続けることは物理的には可能だが、報告義務と防犯リスクを考慮する必要がある。

📋 確認すべきポイント:

  • 契約書に「紛失時は報告必須」と記載されていないか
  • 報告しないまま退去時に発覚した場合のリスク
  • 防犯上の問題(紛失した鍵が悪用される可能性)

多くの賃貸契約では、鍵の紛失は報告義務があるとされている。報告しないまま過ごし、退去時に発覚すると「契約違反」として扱われる可能性もあるため、早めの報告が望ましい。

合鍵を勝手に作ってもいい?

スペアキーが1本しかなくなり、不安から「合鍵を作っておこう」と考える人もいるが、賃貸物件では合鍵作成にルールがある

⚠️ 合鍵作成の注意点:

  • 多くの賃貸契約では、合鍵作成に管理会社の許可が必要
  • 無断で作成すると契約違反になる可能性
  • 退去時に合鍵も含めて全本数の返却が求められる
  • オートロック連動鍵は街中の合鍵屋では複製不可能な場合も

合鍵を作成したい場合は、まず管理会社に連絡して許可を得ることが基本だ。

1本紛失でも交換が必要なケース

以下のケースでは、1本だけの紛失でもシリンダー交換が必要になる可能性が高い。

🔑 交換が必要になるケース:

  • 免許証など住所がわかるものと一緒に紛失した
  • 管理会社から交換を求められた
  • オートロック連動鍵で、エントランスの防犯に影響がある

特に、身分証明書と一緒に紛失した場合は、悪意のある第三者に住所を特定されるリスクがあるため、交換を強く推奨される。


退去時に鍵が足りない場合の対処法

引越し準備中や退去日当日に「鍵が足りない」と気づくケースも少なくない。状況別の対処法を解説する。

退去日までに時間がある場合

退去日まで余裕がある場合は、以下の手順で対応しよう。

📝 対処の流れ:

  • 管理会社に連絡し、交換費用の見積もりを取る
  • 火災保険の補償が使えるか確認(盗難の場合)
  • 自分で業者を手配できるか交渉(費用を抑えられる可能性)
  • 見積もりに納得できれば、交換を依頼

管理会社指定の業者より、自分で手配した業者のほうが安くなるケースもある。交渉の余地があるかどうか、まずは確認してみよう。

退去日当日に気づいた場合

退去日当日に鍵が足りないことに気づいた場合は、正直に申告するのが最善策だ。

⚠️ やってはいけないこと:

  • 黙って退去する → 後から請求されるリスク大
  • 「紛失していない」と嘘をつく → 発覚時に信用問題に

正直に申告すれば、退去後に費用精算という形で対応してもらえることがほとんどだ。

敷金から差し引かれるケース

鍵紛失による交換費用は、敷金精算時に差し引かれるのが一般的だ。

💰 精算の流れ:

  • 退去時の原状回復費用と合わせて精算
  • 敷金で足りない場合は追加請求
  • 敷金がない物件は退去後に請求書が届く

賃貸・アパートの窓ガラスが割れたときの対応と同様に、賃貸物件での設備トラブルは基本的に入居者負担となるケースが多い。

弁償額の目安

退去時に鍵が足りない場合の費用目安は以下の通り。

状況費用目安
一般的な鍵1本紛失10,000〜25,000円
ディンプルキー紛失20,000〜35,000円
オートロック連動鍵25,000〜55,000円
カードキー紛失20,000〜40,000円

家の中で鍵をなくした場合

「外出時に鍵がない」と思っていたら、実は家の中で見つかった——というケースも多い。家の中での紛失は、外での紛失とは対応が異なる

外出時に気づいた場合との違い

家の中で鍵をなくした場合は、防犯リスクが低いため、必ずしも交換が必要になるわけではない。まずは徹底的に探すことが先決だ。

よくある紛失場所

家の中で鍵が見つかりやすい場所をリストアップした。

🔍 チェックすべき場所:

  • ソファやベッドの隙間・クッションの下
  • 洗濯物のポケット(洗濯機の中も確認)
  • カバンの内ポケット・底の隙間
  • 玄関周りの棚・下駄箱の中
  • 冷蔵庫の上や電子レンジの周辺(一時的に置いた場所)
  • ゴミ箱の中(誤って捨てた可能性)

見つからない場合の対応

徹底的に探しても見つからない場合は、以下を検討する。

📋 判断基準:

  • オートロック連動鍵 → 管理会社に報告を検討
  • 一般的な鍵 → しばらく様子を見てもOK(ただし自己責任)
  • 退去が近い → 早めに管理会社に相談

家の中にあることが確実なら、後から見つかる可能性も高い。ただし、退去時に必要な本数が揃わないと費用が発生するため、引越し前には再度徹底的に探そう。


鍵業者を呼ぶ前に確認すべきこと

鍵業者に依頼する前に、いくつか確認しておくべきことがある。悪質業者に当たらないためのチェックポイントも押さえておこう。

管理会社の許可は必要?

緊急時の開錠については、事前許可なしでOKが一般的だ。ただし、鍵交換については必ず管理会社に連絡してから行う必要がある。

許可の要否:

  • 緊急開錠 → 許可不要(後で報告)
  • 鍵交換 → 必ず事前に許可を取る
  • シリンダーの種類変更 → 管理会社の指定がある場合も

無断で鍵交換を行い、「自室のドアが開かない」「オートロックが開けられない」といったトラブルが発生すると、修復費用を請求される可能性がある。

悪質業者を避けるためのチェックポイント

鍵業者の中には、作業後に高額請求をしてくる悪質な業者も存在する。以下のポイントをチェックしよう。

⚠️ 要注意のサイン:

  • 電話で概算見積もりを出さない
  • 「出張費無料」をアピールするが、作業費が異常に高い
  • 作業前に見積書を出さない
  • 「今すぐ決めないと料金が上がる」と急かす

安全な依頼の流れ:

  • 電話で状況を伝え、概算見積もりを確認
  • 作業前に必ず書面で見積もりをもらう
  • 見積もり金額に納得してから作業を依頼
  • 不当に高額な請求は支払いを保留し、消費者ホットライン(188)に相談

本人確認に必要な書類

鍵開けを依頼する際は、本人確認が必須となる。これは防犯上の理由から、正当な居住者であることを証明するためだ。

📄 必要な書類:

  • 現住所が記載された顔写真付き身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
  • 身分証がない場合は警察官の立会いが必要

財布ごと紛失した場合など、身分証を提示できないケースでは、最寄りの交番に相談して警察官の立会いのもとで開錠を行うことになる。


鍵の紛失を防ぐ方法

一度鍵を紛失すると、開錠・交換で数万円の出費になることもある。再発防止のための対策を講じておこう。

キーファインダー(紛失防止タグ)の活用

キーファインダーは、スマホと連携して鍵の位置を確認できるデバイスだ。

📱 代表的な製品:

  • Apple AirTag(iPhone向け):約4,000円
  • Tile(iOS/Android両対応):約3,000〜5,000円
  • MAMORIO(国産、小型):約2,500〜4,000円

鍵に取り付けておけば、紛失時にスマホアプリから位置を確認したり、音を鳴らして探したりできる。数万円の交換費用を考えれば、数千円の投資で安心が買える

鍵の定位置を決める

最もシンプルで効果的な対策は、鍵の置き場所を固定することだ。

🏠 おすすめの方法:

  • 玄関にキーフックを設置し、帰宅したら必ずかける
  • カバンの「このポケットに入れる」を決めておく
  • ポケットには入れない(落としやすい)

習慣化すれば、「鍵どこに置いたっけ?」と探す時間も減り、紛失リスクも大幅に下がる。

スマートロックの導入を検討

物理鍵を持ち歩かない生活を実現するスマートロックも、紛失防止の有効な手段だ。スマホや暗証番号で開錠できるため、鍵をなくす心配がなくなる。

ただし、賃貸物件でのスマートロック導入には注意点がある。詳しくは次のセクションで解説する。


賃貸でもスマートロックは設置できる?

スマートロックは便利だが、賃貸物件では原状回復義務との兼ね合いを考慮する必要がある。

賃貸物件でのスマートロック導入について詳しく知りたい場合は、賃貸でも安心!工事不要スマートロック導入術も参考にしてほしい。

原状回復義務との関係

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、入居者は退去時に物件を入居時の状態に戻す義務(原状回復義務)を負う。スマートロックの設置跡が「特別損耗」とみなされると、修復費用を請求される可能性がある。

⚠️ 設置方法別のリスク:

  • ビス止め(穴あけ)タイプ:ドア交換費用(10万〜30万円)が発生するリスク大
  • 両面テープタイプ:糊残り・化粧シート剥がれで補修費用が発生する可能性

設置可能な物件の条件

すべての賃貸物件にスマートロックが取り付けられるわけではない。物理的な条件をクリアする必要がある。

🔧 確認すべきポイント:

  • サムターン(つまみ)の形状:涙型・四角型は適合しやすい。丸型や防犯サムターンは不適合の場合あり
  • 設置スペース:サムターンからドア枠まで4cm以上の距離が必要
  • ドアの材質:金属製ドアはBluetooth/Wi-Fiの接続が不安定になることも

原状回復リスクを抑える設置方法

賃貸物件でスマートロックを安全に使うためのポイントを押さえておこう。

リスク軽減策:

  • マスキングテープで養生:ドアに直接両面テープを貼らず、まずマスキングテープを貼り、その上からスマートロックの両面テープを貼付。撤去時にマスキングテープごと剥がせる
  • 管理会社に事前相談:「傷をつけない方法で設置する」旨を伝え、了承を得ておく
  • 定期的な接着確認:マスキングテープを挟むと接着強度が落ちるため、落下リスクに注意

スマートロックの注意点

スマートロックは便利だが、万能ではない。以下のリスクを理解しておく必要がある。

⚠️ 想定されるトラブル:

  • 電池切れで開錠できない
  • アプリのバグや通信障害
  • 本体の落下による締め出し
  • GPS機能の誤作動

重要なのは、スマートロック導入後も物理鍵の携帯は必須という点だ。管理会社の24時間サポートは、通常「建物の設備の不具合」に対応するものであり、**「入居者が設置した機器の不具合」には対応しない(または対応できない)**可能性が高い。


よくある質問

鍵を紛失したことを管理会社に言わなくてもバレない?

退去時に鍵の本数を確認されるため、発覚する可能性が高い。黙っていると契約違反として扱われる場合もあるため、早めに報告するのが安全。

友人に預けていた合鍵を紛失された場合、費用は誰が払う?

管理会社への支払い義務は入居者にある。友人への請求は当事者間で解決する必要がある。

入居時にもらった鍵の本数を覚えていない場合は?

契約書や重要事項説明書に記載されていることが多い。不明な場合は管理会社に確認すれば教えてもらえる。

鍵交換費用が高すぎると感じたら交渉できる?

相場と比較して明らかに高い場合は、内訳の説明を求めることができる。納得できなければ消費者センターへの相談も有効。

火災保険の鍵開けサービスを使うと翌年の保険料は上がる?

付帯サービスの利用で保険料が上がることは一般的にない。ただし、保険金請求(盗難補償など)の場合は影響する可能性あり。

物置やポストの鍵を紛失した場合は?

共用設備の場合は管理会社に連絡。費用負担は契約内容による。専有部分の物置は玄関鍵と同様の対応となる。

まとめ

賃貸で鍵を紛失した場合は、まず警察への遺失届と管理会社への連絡を行うことが基本だ。火災保険や入居者サポートの付帯サービスを確認すれば、開錠費用を抑えられる可能性がある。

オートロック付き物件でも、賃貸の場合は全戸交換を請求されることはまずないため、過度な心配は不要。ただし、自室の鍵交換費用(1〜5万円程度)は自己負担となる。

退去時に鍵が足りない場合は、黙って退去せず正直に申告することが大切だ。高額請求された場合は、契約書の記載を確認し、必要に応じて消費者センターに相談しよう。

再発防止には、キーファインダーの活用や、スマートロックの導入も有効な選択肢となる。


【参考情報】

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