引越し業者に見積もりを依頼したものの、「断るのが申し訳ない」「しつこく営業されたらどうしよう」と不安に感じていませんか。
結論から言うと、見積もり後に断ること自体はまったく問題ありません。見積もりは複数の業者を比較検討するための手続きであり、断りの連絡は日常的に行われています。見積もり段階ではキャンセル料も一切発生しません。
この記事では、電話・メール・LINEそれぞれの断り方の例文から、訪問見積もりで即決を迫られたときの対処法、相見積もり後の連絡のコツ、しつこい営業への対応策、さらに契約後のキャンセル料の仕組みまで解説します。
1度の電話で、複数の見積が揃う
引越し見積もり後に断っても問題ない理由

見積もりは「契約」ではなく、業者の提示する条件を確認するための手続きです。複数社に見積もりを依頼して比較するのはごく一般的なことであり、断りの連絡を入れること自体にためらう必要はありません。
国土交通省が定める標準引越運送約款(全日本トラック協会)でも、「見積料は請求しません」「見積りの際に内金、手付金等を請求しません」と明記されています。つまり、見積もり段階では料金が発生する根拠がそもそもないということです。
むしろ、断ると決めたなら早めに連絡するのがマナーです。業者側もトラックや人員の手配を進めるため、早い段階で辞退の連絡をもらったほうが助かります。
断る連絡はいつまでにすべきか

断りの連絡に法的な期限はありませんが、以下を目安にしてください。
- 🕐 通常期:見積もり後1週間以内
- 🕐 繁忙期(3〜4月):3日以内が望ましい
- 🕐 決断後:即日連絡が基本
繁忙期は業者が先にトラックや人員を確保してしまうことがあるため、特に早い連絡が重要です。
見積もり後に連絡しないとどうなる?

断りの連絡をしなくても、法的なペナルティは一切ありません。見積もり段階では契約が成立していないため、キャンセル料も発生しません。
ただし現実的には、業者から確認の電話やメールが何度も届くことになります。無視し続けても営業連絡が止まらず、かえって面倒です。一言「他社に決めました」と伝えるだけで、双方にとってスムーズに終わります。
【例文あり】電話での引越し見積もりの断り方
電話は最もスタンダードな断り方です。特に訪問見積もりを受けた業者には、電話で直接伝えるのがスムーズです。要点を押さえれば、1〜2分で終わります。
電話で断る際の基本ポイント

- 📞 結論を最初の30秒で伝える:「お断りのご連絡です」とはっきり切り出す
- 📞 感謝→断り→簡潔な理由の順で話す
- 📞 価格には一切触れない:「他社が安かった」と言うと必ず値引き交渉が始まる
電話の連絡先は営業担当者への直通が基本です。ただし、しつこい営業が予想される場合や、担当者と話したくない場合は**会社の代表番号(コールセンター)**に連絡するのも有効です。代表番号の受付担当はマニュアル対応で処理してくれるため、交渉に発展しにくいメリットがあります。
すぐ使える電話の断り例文

基本の断り例文(他社に決めた場合)
「先日はお見積もりいただきありがとうございました。検討した結果、別の業者にお願いすることになりました。丁寧にご対応いただいたのに申し訳ありません。ありがとうございました。」
会社指定・福利厚生を理由にした例文
「先日のお見積もりありがとうございました。その後、会社の指定業者を使うことになりましたので、今回は見送らせていただきます。」
引越し自体の延期を理由にした例文
「先日はお見積もりありがとうございました。事情が変わりまして、引越し自体が延期になりました。またの機会がありましたらよろしくお願いいたします。」
しつこい営業が予想される場合の例文
「先日のお見積もりありがとうございました。すでに他社と契約を済ませましたので、今回はお断りいたします。ご了承ください。」
「他社と契約済み」と伝えることで、交渉の余地がないことを明確にできます。実際に契約が済んでいなくても、断るための表現として使って問題ありません。
【テンプレ付き】メールでの引越し見積もりの断り方

メールは記録が残るという大きな利点があります。一括見積もりサイト経由で見積もりを取った場合や、電話する時間が取れないときに適しています。
メールの断り方の基本マナー

- ✉️ 件名で断りだとわかるようにする:「お見積もりのお礼とお断り」など
- ✉️ 断る理由を詳しく書きすぎない:「別の業者に決めた」で十分。金額や条件に触れると返信で値引き提案が来る
- ✉️ 宛先は見積もり担当者のアドレス:会社の代表メールでは対応が遅れることがある
そのまま使える断りメールテンプレート
見積もり直後に断るメール
件名:お見積もりのお礼とお断り
○○引越センター ○○様
お世話になっております。先日お見積もりをいただきました△△です。
丁寧にご対応いただきありがとうございました。 検討の結果、別の業者にお願いすることになりましたので、ご連絡いたします。
せっかくお見積もりいただいたのに申し訳ございません。 また機会がありましたらよろしくお願いいたします。
△△(名前) 電話番号:○○○-○○○○-○○○○
検討後に断るメール
件名:お見積もりの件(辞退のご連絡)
○○引越センター ○○様
お世話になっております。○月○日にお見積もりをいただきました△△です。
慎重に検討しましたが、諸般の事情により今回は見送らせていただくことになりました。 ご丁寧な対応に感謝しております。
今後ともよろしくお願いいたします。
△△(名前)
急なキャンセル時のメール
件名:【ご連絡】お見積もりキャンセルのお願い
○○引越センター ○○様
お世話になっております。△△です。
急なご連絡で恐縮ですが、事情により引越し自体が延期となりました。 お手数をおかけしますが、お見積もりをキャンセルさせていただければ幸いです。
なお、念のためお電話でもご連絡いたしますが、取り急ぎメールにてお知らせいたします。
△△(名前) 電話番号:○○○-○○○○-○○○○
契約後のキャンセルや、引越し日が迫っている場合は、メールだけでなく電話も併用してください。メールは業者が確認するまでにタイムラグがあります。
LINEでの引越し見積もりの断り方と注意点

最近は見積もりのやり取りをLINEで行う業者も増えています。LINEでのやり取りが中心だった場合は、LINEで断りを伝えても問題ありません。
LINEで断るときのマナー

- 💬 ビジネスライクな文章を心がける:スタンプだけで済ませない
- 💬 1メッセージにまとめる:何通にも分けて送ると読みづらい
- 💬 契約後のキャンセルはLINEではなく電話で:重要な連絡は記録と即時性を重視する
LINE断り例文集
基本の断り例文
お世話になっております。先日はお見積もりいただきありがとうございました。検討した結果、別の業者にお願いすることになりましたので、ご連絡いたします。丁寧にご対応いただきありがとうございました。
検討後の断り例文
○○引越センター ○○様 お見積もりの件、検討いたしましたが、今回は見送らせていただきます。お時間をいただきありがとうございました。
引越し延期による断り例文
お世話になっております。先日はありがとうございました。事情により引越し自体が延期になりましたので、お見積もりをキャンセルさせてください。お手数をおかけして申し訳ございません。
既読スルーされた場合の対処法
LINEで断りのメッセージを送っても、業者から返信がないことがあります。既読がついていれば、1営業日程度は待ちましょう。
1営業日以上経っても返信がなく、それ以降も営業連絡が来る場合は「先日お断りのご連絡をお送りしましたが、ご確認いただけましたでしょうか」と再度メッセージを送るか、電話に切り替えて断りを伝えてください。
訪問見積もりで即決を迫られたときの断り方

訪問見積もりでは、営業担当者から**「今日決めていただければ○万円お値引きします」**と即決を求められることが多くあります。これは引越し業界では非常に一般的な営業手法であり、特に警戒する必要はありませんが、その場で即決する義務はまったくありません。
値引き条件はその日限りと言われても、後日交渉すれば同じ条件やさらに安い条件が出ることもあります。複数社を比較した上で判断するのが、引越し費用を抑える基本です。引越し費用の節約方法については「引越し代を最大50%安くする方法」でも詳しく解説しています。
即決を断る具体的な伝え方
- 🗣️ 「家族に相談してから決めます」:最も無難で、営業担当者も引き下がりやすい
- 🗣️ 「他社の見積もりがまだ残っているので」:比較検討中であることを理由にする
- 🗣️ 「会社に確認してから返答します」:法人契約や福利厚生絡みを理由にする
最も有効なのは、見積もり当日の最初の段階で「今日は決められません」と宣言しておくことです。これにより、営業担当者も「即決を取れない訪問」と認識した上で見積もりを進めるため、終了時の圧力が大幅に軽減されます。
即決を断った後の対応
訪問見積もり後にあらためて断る場合は、電話またはメールで連絡します。例文は本記事の電話・メールの各セクションを参考にしてください。
なお、訪問時にダンボール等の梱包資材を**「先にお渡ししておきますね」と置いていかれることがあります。資材を受け取ると心理的に断りにくくなるため、決断前であれば「まだ決めていないので、資材は契約後にお願いします」とはっきり断る**のが賢明です。
相見積もり後の断り方|複数社への連絡のコツ

相見積もりで業者を決めた後は、選ばなかった業者への断りの連絡が必要です。引越し見積もりの比較方法については「単身・一人暮らし引越し見積もり完全比較」で詳しく解説しています。
相見積もりで断るときの連絡タイミング
断りの連絡は、業者を決定したらすぐに全社へ入れるのが基本です。決定後に時間が経つと、断られる側の業者はその間も人員やトラックを仮押さえしている可能性があります。
また、断りの連絡は1社ずつ個別に行ってください。同じ内容の一斉メールは失礼にあたるだけでなく、他社のメールアドレスが見えてしまうリスクもあります。
値引き交渉に発展させない断り理由の選び方
相見積もりで断るとき、最も避けるべきなのは「他社のほうが安かった」という理由です。金額を理由にすると、ほぼ確実に「うちも合わせます」「いくらなら決めてもらえますか」と値引き交渉が始まります。
交渉に発展しにくい断り理由:
- 🔹 「会社の指定業者を使うことになった」:本人の意思では覆せない
- 🔹 「知人の紹介で頼むことにした」:人間関係が理由なので値引きでは覆せない
- 🔹 「家族の意向で決まった」:意思決定者が本人ではないと示せる
- 🔹 「引越し自体が延期になった」:引越し需要そのものがなくなる
これらの理由に共通するのは、**「値引きされても覆らない外的要因」**であることです。業者にとって交渉の余地がないと判断できるため、スムーズに断れます。
断る際の会話術:再交渉を防ぐテクニック
断りを伝えた後に粘られるケースの多くは、こちら側の対応が曖昧だったことが原因です。以下の点を意識してください。
「検討します」は絶対に使わない。 「検討します」は業者にとって「まだ可能性がある」というサインです。断ると決めたなら、「決定しましたのでお断りします」と過去形で伝えましょう。
同じ理由を繰り返す。 「理由を変えて説得すれば落とせる」と思われないよう、何を聞かれても同じ理由を繰り返します。新しい情報を出す必要はありません。
話が長引いたら切る理由を伝える。 「これから外出しますので」「仕事に戻りますので」と会話を終了する理由を伝えれば、自然に電話を切れます。
業者間で見積もり情報は共有されるのか
「他社の金額を伝えたら、業者間で情報が回るのでは?」と心配する方もいますが、基本的に引越し業者間で個別の見積もり価格が共有されることはありません。個人情報保護の観点からも、顧客の見積もり内容を他社と共有することは通常ありません。
ただし、繁忙期に自社で対応しきれない案件を協力会社に回す「シェアリング」という業界慣行は存在します。これはあくまで業務の委託であり、他社の見積もり価格を共有するものではありません。
とはいえ、断る際に具体的な金額を伝える必要はありません。「別の業者に決めました」の一言で十分です。
しつこい営業電話への対処法

断りを伝えたにもかかわらず、繰り返し電話がかかってくるケースがあります。特に一括見積もりサイトを利用した場合、複数社から同時に営業を受けることがあります。営業電話が少ない見積もり方法については「引越しラクっとnaviの口コミと評判」も参考にしてください。
毅然とした断り方の具体例
しつこい営業に対しては、曖昧な返答をせず、明確に断ることが最も重要です。
「すでに他社と契約を済ませました。今後の営業のお電話はご遠慮ください。」
「何度かお断りしておりますが、お願いする予定はございません。上の方に代わっていただけますか。」
「ご遠慮ください」と明言するのがポイントです。これは法律上も「契約を締結しない旨の意思表示」にあたり、これ以降の再勧誘を禁止する根拠になります。
法的に認められた対応策
特定商取引法(消費者庁 特定商取引法ガイド)では、契約しない旨の意思を表示した消費者に対して、勧誘を継続したり再度勧誘したりすることを禁止しています(訪問販売:第3条の2第2項、電話勧誘販売:第17条)。
つまり、「お断りします」「いりません」とはっきり伝えた後に、なおも営業を続ける行為は法律に抵触する可能性があります。「検討します」「今は忙しいので」といった曖昧な表現は法的に「断った」とはみなされないため、明確な拒否の意思を示すことが重要です。
それでも営業が止まらない場合は、以下の対応を検討してください。
- 📱 着信拒否の設定:スマートフォンの設定で特定番号をブロックできる。ただし、別の番号からかかってくる可能性がある
- 📱 消費者ホットライン(188)への相談:国民生活センターに状況を伝えることで、業者への指導につながる場合がある
引越し契約後のキャンセル料はいつから発生する?

ここまでは「見積もり後の断り方」を解説してきましたが、見積もり段階であればキャンセル料は一切発生しません。キャンセル料が関係するのは、業者と正式に契約を結んだ後の話です。
キャンセル料の詳しいルールや手続きについては「引越しキャンセル料と日程変更の完全解説」で詳しく解説しています。ここでは要点のみまとめます。
標準引越運送約款に基づくキャンセル料の基準
標準引越運送約款第21条では、キャンセル料(解約手数料)を以下のように定めています。
| キャンセルの時期 | 解約手数料の上限 |
|---|---|
| 引越し日の3日前まで | 無料 |
| 引越し日の2日前 | 運賃及び料金の20%以内 |
| 引越し日の前日 | 運賃及び料金の30%以内 |
| 引越し日の当日 | 運賃及び料金の50%以内 |
なお、エアコン工事やピアノ運搬などのオプションサービス(附帯サービス)をすでに実施済みの場合は、その費用が別途全額請求される可能性があります。
また、業者には引越し日の3日前まで(受取日の2日前まで)に確認の連絡をする義務があります。この確認連絡がなかった場合、前日や当日にキャンセルしてもキャンセル料は請求できないとされています。
梱包資材を受け取った後の対応
契約後にダンボール等の梱包資材を受け取った状態でキャンセルする場合の対応:
- 📦 未使用・未開封の資材:業者に返却可能(送料は自己負担の場合が多い)
- 📦 使用済みの資材:実費での買取を求められることがある
- 📦 契約前に受け取った資材:返却すれば費用負担の義務はない
資材の取り扱いは業者によって異なるため、キャンセル時に必ず確認してください。
まとめ

引越し見積もり後の断りは、早めの連絡・価格に言及しない・感謝を伝えるの3つを押さえれば、トラブルなくスムーズに終わります。
見積もり段階ではキャンセル料は発生せず、内金や手付金の請求も標準引越運送約款で禁止されています。「申し訳ない」と感じる必要はありません。
断り方は電話・メール・LINEのどれでも構いませんが、訪問見積もりを受けた業者には電話が丁寧です。即決を迫られても断って問題ありません。しつこい営業には「お断りします」と明確に意思表示し、それでも続く場合は消費者ホットライン(188)に相談できます。
引越し費用の比較を検討中の方は「単身・一人暮らし引越し見積もり完全比較」、自力での引越しも視野に入れている方は「自分で引越しをするコツ」も参考にしてください。
1度の電話で、複数の見積が揃う
よくある質問(FAQ)

- 見積もり後すぐに断っても大丈夫?
-
問題ありません。むしろ早いほうが業者にも助かります。通常期は1週間以内、繁忙期は3日以内が目安です。
- 断る理由は説明しなければいけない?
-
詳細な説明は不要です。「別の業者に決めた」「会社指定の業者を使うことになった」など簡潔な理由で十分です。価格に言及すると値引き交渉に発展するため避けてください。
- 担当者ではなく会社の代表番号に電話しても問題ない?
-
問題ありません。代表番号のオペレーターがマニュアル対応で処理してくれるため、スムーズに終わることが多いです。訪問見積もりを受けた場合は、礼儀として担当者に直接連絡するのが望ましいでしょう。
- 見積もりだけでキャンセル料が発生することはある?
-
標準引越運送約款により、見積もり段階ではキャンセル料は発生しません。また、内金や手付金の請求も約款で禁止されています(第3条第5項)。もし見積もり時に金銭を請求された場合は約款違反の可能性があるため、応じる必要はありません。
- 引越し契約にクーリングオフは使える?
-
引越しサービスの契約にクーリングオフは基本的に適用されません。クーリングオフは訪問販売や電話勧誘販売など「不意打ち的な勧誘」から消費者を守る制度であり、消費者が自ら見積もりを依頼する引越し契約は対象外です。契約後のキャンセルは標準引越運送約款に基づき、引越し日の3日前までなら無料で解約可能です。
- 梱包資材をもらった後に断る場合は?
-
未使用・未開封なら返却できます。使用済みの資材は買取になる場合があります。返却方法と費用負担は業者に確認してください。
【参考情報】

